「鎌倉殿の13人」大泉洋“愚痴”17・5万回再生 撮影直後の音声コメント話題 番組ツイッター異例企画

[ 2022年1月30日 06:00 ]

小栗旬が主演を務める大河ドラマ「鎌倉殿の13人」のメーンビジュアル(C)NHK
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 俳優の小栗旬(39)が主演を務めるNHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」(日曜後8・00)の番組公式ツイッターが「撮影直後のキャストの音声コメント」を公開。数カ月前に行われた収録で演じ終えたばかりの思いがダイレクトに伝わる斬新な試みが反響を呼んでいる。制作統括の清水拓哉チーフ・プロデューサー(CP)に狙いを聞いた。

 <※以下、ネタバレ有>

 ヒットメーカーの三谷幸喜氏が脚本を手掛ける大河ドラマ61作目。タイトルの「鎌倉殿」とは、鎌倉幕府将軍のこと。主人公は鎌倉幕府2代執権・北条義時。鎌倉幕府初代将軍・源頼朝にすべてを学び、武士の世を盤石にした男。野心とは無縁だった若者は、いかにして武士の頂点に上り詰めたのか。新都・鎌倉を舞台に、頼朝の13人の家臣団が激しいパワーゲームを繰り広げる。三谷氏は2004年「新選組!」、16年「真田丸」に続く6年ぶり3作目の大河脚本。小栗は8作目にして大河初主演に挑む。

 今回の番組公式ツイッター上の企画は「#かまコメ」と題し「収録現場から撮影直前・直後のコメントをお届けします」。注目のシーンに狙いを定めたスタッフが撮影直前・直後のキャストを直撃し、生の声を拾っている。

 初回(1月9日)は北条義時役・小栗旬、北条時政役・坂東彌十郎、北条政子役・小池栄子、源頼朝役・大泉洋、実衣役・宮澤エマ、仁田忠常役・高岸宏行、北条宗時役・片岡愛之助の7人。第2回(1月16日)は山内首藤経俊役・山口馬木也、工藤祐経役・坪倉由幸、伊東祐清役・竹財輝之助、河津祐泰役・山口祥行の4人。第3回(1月23日)は以仁王役・木村昴、源頼政役・品川徹、三善康信役・小林隆、工藤茂光役・米本学仁、文覚役・市川猿之助の5人の音声動画がアップされた。

 例えば1分38秒にわたる大泉の音声コメントは、頼朝&政子の初対面シーンを撮り終えた直後に語ったもの。北条館の離れ屋に匿われていた頼朝に食事を運んだ政子は一目惚れ。頼朝が「名は何と申す」と聞くと、政子は「大根汁でございます」。次に食事を運んだ際は、頼朝の気を引こうと、政子が体をクネクネ。コントさながら、視聴者の爆笑を誘った。

 「頼朝さんとしては『とてもユニークな女性に出会ったな』という印象なんでしょうかね。今回撮った2つのシーンっていうのは、どちらも面白いシーン、割と面白めだったものですから、頼朝さんとしては『何かちょっと変わった女性が目の前に現れたな』っていう印象なんでしょうかね。大泉洋としましては、大河に出たのか、(NHKのコント番組)『LIFE!』に出たのか、イマイチちょっと分からないなっていう。ひょっとして、これ『LIFE!』かな?っていう。どこかで内村(光良)さんとか、ムロ(ツヨシ)君とかが出てきそうな。あとね、頼朝と政子っていう歴史上のこの2人の出会いのシーンを『面白くする必要があるんでしょうか?』って、あらためて三谷さんに問いたいですけどね。今日の最後のシーンを撮っている間に、小栗君がやってきて『何やってるんですか?』って怒ってましたからね。『いや、これはあの…』みたいな。なんで我々が主演に怒られないといけないんだっていう。私たちは台本の通り、やっているわけだから。本当にね、三谷さんにはこれ以上、頼朝を面白くするのはやめてほしいと思いますね。すみませんね、ちょっと愚痴が多くなってますけど。三谷さんに送ってほしいな、このコメントを」

 “大泉節”が炸裂したジョーク交じりの音声動画は、目下の「#かまコメ」最多となる17・5万回再生(1月29日午後8時現在)。SNS上には「放送終了後にキャスト陣のこういう声が聞けるの、うれしいですね」「まさか声でコメントが聞けるとは…新しい!」「本人の声でコメント聞けるの、ホントいい。毎回楽しみ」などの声が上がり、好評を博している。

 清水CPは「まず、今回の作品は『扮装姿のオフショットを出さない』というポリシーがあります。それは、視聴者の皆さんにドラマの世界に没入していただきたいからです。PR番組でも、キャストの皆さんがインタビューに応じる時は現代の格好。役衣装で受け答えをすることが一切なかったことに、お気づきの方もいるかもしれません」と異例の試みが生まれる前提を説明。

 「キャストの皆さんが演じ終えた直後のホットな感想を届けられたら、きっと面白い。ただ、扮装姿のインタビュー映像は出したくない。この連立方程式を解くべく、PRスタッフが発案したのが、この音声コメントでした。映像がない分、逆にキャストの皆さんの内面に対して聞く側の想像が膨らんだりするのは、実際にやってみての発見でした。文字コメントだと、やはり微妙なニュアンスが伝わらないこともあります。“録れ立て”ホヤホヤの状態のコメントの生々しさを狙いました。視聴者の皆さんも楽しんでくださっているようなので、うれしいですね」と明かし、好感触を示した。

 清水CPは「新選組!」にも参加。当時はインターネット掲示板「2ちゃんねる」が盛り上がり「僕たちがどれだけ勇気をもらい、背中を押してもらったか。その体験が幸せな記憶としてずっと残っているので、双方向のコミュニケーションが取れるSNSの時代になって、さらに視聴者の皆さんと楽しいキャッチボールを、という思いが強くなっています」。これが20年11月16日から5日連続、総勢24人の豪華キャストを番組公式ツイッターで発表するという独創的な企画にもつながった。

 今後も、どのような肉声が聞けるのか。放送後も楽しみは尽きない。

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2022年1月30日のニュース