「おかえりモネ」菅波先生効果“サメキーホルダー”バカ売れ 出荷3カ月待ち!森の町・登米も驚き&感謝

[ 2021年9月26日 08:15 ]

NHK連続テレビ小説「おかえりモネ」の舞台の1つ、宮城県登米市の木工工芸品店で制作・販売されている「菅波サメキーホルダー」。出荷3カ月待ちの大人気に
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 女優の清原果耶(19)がヒロインを務めるNHK連続テレビ小説「おかえりモネ」(月~土曜前8・00、土曜は1週間振り返り)の舞台の1つ、宮城県登米市の木工工芸品店で制作・販売されている「菅波サメキーホルダー」に全国から注文が殺到し、出荷3カ月待ちの大人気になっている。俳優の坂口健太郎(30)演じる人気キャラクター・菅波先生が劇中、鍵に付けていたものを模した商品。登米市の担当者も「予想を遥かに超える反響に大変驚いています。菅波先生に感謝したいと思います」と“新名物”誕生に喜び。朝ドラ効果&菅波先生効果により、東北の“森の町”が一躍、全国区になった。

 朝ドラ通算104作目。清原とタッグを組んだNHK「透明なゆりかご」やテレビ東京「きのう何食べた?」などで知られる安達奈緒子氏が手掛けるオリジナル作品。朝ドラ脚本初挑戦となった。タイトルにある「モネ」は主人公・永浦百音(ももね)の愛称。1995年に宮城県気仙沼市に生まれたヒロイン・百音が気象予報士の資格を取得し、上京。積み重ねた経験や身につけた技術を生かし、故郷の役に立ちたいと奮闘する姿を描く。

 気仙沼とともに、ドラマの舞台となったのが“森の町”宮城県登米市。百音は高校卒業後、気仙沼の亀島を離れ、登米の米麻町森林組合に就職。山主のサヤカ(夏木マリ)課長の翔洋(浜野謙太)参事の川久保(でんでん)らに出会い、林業を学んだ。百音が企画した学童机もヒットした。

 サヤカと知り合いだった気象キャスター・朝岡(西島秀俊)と出会ったのも登米。その後、プロポーズされる菅波(坂口健太郎)は森林組合併設の「よねま診療所」の医師。東京の東成大学附属病院に籍を置き、1週おきに登米に通っていた。気象予報士試験の勉強を始めた百音に、理科の基礎を教えた。

 百音が上京し、気持ちが通じ合った後の第82話(9月7日)。菅波は「あの、今度から中入ってくれていいから。あなたと僕には時間がないから。それに、ちょっとでも顔見ると、やっぱりいいなって思うし」と合い鍵を渡した。鍵に付いていたのが、菅波が好きなサメのキーホルダーだった。菅波は不器用ながらも百音を温かく見守る姿がSNS上で大人気。その“らしい言動”は「マジ菅波」などと呼ばれ、ハッシュタグ「#俺たちの菅波」とともに毎話、反響を呼んでいる。

 菅波のサメキーホルダーを見た視聴者から、登米市を代表するクラフトショップ「もくもくハウス」(登米市津山町)に多数の問い合わせ。市にも同様の声が届いたため、ファンの期待に応えるべく、市からも「もくもくハウス」に要望し、制作が決まった。

 劇中のキーホルダーを模したものだが、登米市産木材を用い「made in TOME」の表記を入れるなど、登米市のエッセンスをたっぷり盛り込み、急ピッチで制作した。9月21日に発売を開始したが、インターネット販売用に用意した50個が数分で完売。9月24日までの4日間で約2800個の注文が殺到したため、生産が追いつかず、現在の予約分は12月27日出荷予定と3カ月待ちの状態となった。

 というのも「菅波サメキーホルダー」は手作りのため。当初は、今回のデザインも手掛けた木工作業歴2年ほどの「登米市地域おこし協力隊(木工芸支援員)(40代女性)」が1人で作っていたが、1人だと1個完成に数日かかるため、ベテランの木工職人“糸鋸名人”が2人(50代女性、60代男性)が急きょ参戦。作業を分担し、1日約35個の量産態勢に入った。

 登米市の担当者も「予想を遥かに超える反響に大変驚いており、あらためて朝ドラのパワーを実感しています。ドラマのおかげで登米の新名物が誕生し、地域が元気になりました。非常にうれしく、菅波先生に感謝したいと思います」と喜んでいる。

 「菅波サメキーホルダー」はサメの口の閉じたタイプと口の開いたタイプ2種類。登米市産のサクラ(桜)を本体、クリ(栗)を口の部分に使用。自然素材のため、色合いはすべて異なる。糸鋸でくり抜くため、大きさ(約8センチ×2・5センチ×1センチ)も多少違う。1個800円(税込み880円)。

 ドラマ序盤に登米の郷土料理「はっと汁」とともに登場した、間伐材を有効利用した組立家具のパーツ「組手什(くでじゅう)」の売れ行きも好調。登米町森林組合の公式サイトなどによると、長さ2メートル、幅39ミリメートル、厚さ15ミリメートルの杉材に40個の凹み“切り欠き”があり、その間の出っ張った部分をセルと呼ぶ。必要な長さに切り、自由に切り欠き部分をはめていき、簡易にイスや棚が出来上がる。東日本大震災の時には、登米町森林組合が寄贈し、避難所の仕切りや棚になった。

 もともと商品用には作っていなかったが、ドラマ登場後に問い合わせが殺到。約800本を販売し、前年比“800倍”。「おかえりモネ」効果により、登米にとどまらず、全国的に組手什の売れ行きが伸びているという。

 「サイボーグ009」「仮面ライダー」「HOTEL」など数々の作品で知られる漫画家、特撮作品原作者・石ノ森章太郎さんも登米市出身。朝ドラを機に一躍、その名が全国に知られるようになった。

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