服部慎一郎四段 加古川青流戦で棋戦初優勝 将棋イベントで漫才を披露する異色棋士

[ 2021年9月26日 18:05 ]

加古川青流戦決勝3番勝負を制し、棋戦初優勝を果たした服部慎一郎四段(日本将棋連盟提供)
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 将棋の服部慎一郎四段(22)が26日、兵庫県加古川市で第11期加古川青流戦決勝3番勝負を2勝1敗で制し、棋戦初優勝を達成した。井田明宏四段(24)との3番勝負は25日に先手井田が相掛かりを97手で勝利。この日の第2局は先手服部が153手の大熱戦の末、矢倉戦を逆転勝ちして1勝1敗としていた。

 第3局は振り駒になり先手服部。第2局同様、服部の金矢倉と井田の雁木という陣形へ進み、井田が繰り出した、角捨ての勝負手で得た2枚角を王頭戦で活用。井田を85手までの投了へ導いた。

 「きのうの1局目が大敗。きょうの2局目も厳しい将棋で、ギリギリの所で勝ててすごく嬉しい。他棋戦でも活躍できるように頑張りたい」。一昨年、決勝進出しながら1勝2敗で屈した雪辱を果たし、手応えを示した。

 服部は昨年まで3年連続、大阪・関西将棋会館近くの福島聖天通商店街で漫才を披露した異色棋士。同商店街での将棋イベントでの出し物で、将来のM―1挑戦について「いつか出られたらと思うが、将棋が本業なので」と苦笑いしたこともある。

 同市で行われた大盤解説会には久保利明九段(46)らが登場した。コロナ禍まで、両者と研究会を開く間柄だったという久保は「2人は普段から親しいし、もう一人の奨励会員を交えて走っている」とエピソードを紹介して100人近くが集ったファンを喜ばせた。対局後、服部も「練習将棋を指してランニングもしている。交流があるから負けたくなかった」と回想した。

 同棋戦は若手の登竜門として知られ、過去の優勝者には第2期に永瀬拓矢王座(29)、第3期に藤井聡太3冠(19)の29連勝を止めた佐々木勇気七段(27)がいる。

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