桂福団治 80歳で新作落語を完走、入門秘話も披露-デジタル彦八まつり

[ 2021年9月5日 21:17 ]

彦八まつりの30回記念トークに臨んだ(右から)桂福団治、木下昌輝氏、笑福亭松喬
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 落語家の桂福団治(80)が5日、大阪・天満天神繁昌亭で新作落語「彦八の寿命」をお披露目した。

 5、6日に生國魂神社で予定した「第30回彦八まつり」は新型コロナウィルス感染症対策のため中止。オンラインでの「デジタル彦八まつり」として実施され、夜に天満天神繁昌亭で有観客開催された公演の大トリに実行委員長の福団治自らが出演し、80歳にして異例の新作をネタおろしした。

 上方落語の始祖とされる江戸時代の落語家・米沢彦八。ネタはその功績を語り継ぐため、上方落語の文化祭、ファン感謝デーという趣旨で今回節目を迎えた彦八まつりにちなんだ。

 本番前、笑福亭松喬(60)、彦八を描いた小説「天下一の軽口男」が舞台化もされた小説家の木下昌輝氏(47)とのトークショーでは新作を覚えるため「古典を30(ネタ)くらい忘れました。新作をやろうとして」と苦笑い。また、三代目春団治に入門した1960年、勘当同然で故郷の四日市市を出たと自らの歩みを振り返る場面もあった。

 「(父から)後ろを振り向くな、と言われて涙ボロボロに流しながら大阪へ出てきた。以来60年、未だに帰ってません」。高座での枕では「寝とくなはれや、ワシも寝るかもしらんけど」として笑いをつかみ、自身の持ちネタ「寿命」をアレンジした演目を25分間にわたって、張りのある声でやり遂げた。

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2021年9月5日のニュース