与良正男氏 菅首相の突然の退陣表明に「国民をナメていたツケが一気に回ってきた」

[ 2021年9月5日 09:52 ]

東京・赤坂のTBS社屋
Photo By スポニチ

 毎日新聞論説委員の与良正男氏が5日、TBS系「サンデーモーニング」(日曜前8・00)に出演。菅義偉首相(72)が3日に退陣する意向を表明したことに言及した。

 首相は、自民党総裁選(17日告示、29日投開票)に立候補せず、再選を断念する考えを党臨時役員会で示した。新型コロナウイルス感染対策や総裁選前の異例の党役員人事への批判が噴出し、次期衆院選を前に求心力を急速に失い、就任から約1年で幕引きとなる。首相は「首相となって1年、コロナ対策を中心とする課題に全力で取り組んできた。コロナ対策と総裁選の選挙活動には莫大なエネルギーが必要であり、両立できない。コロナ感染防止に専念したいと判断した」と語った。

 与良氏は「厳しい言い方ですが、国民をナメていたツケが一気に回ってきてしまったなと思う。菅さんはずっと五輪を開催することに懸けてきた。五輪で日本選手が金メダルをとれば世の中が盛り上がってコロナ対策に対する不信、批判も和らぐと。その勢いで衆議院を解散して選挙でそこそこ自民党が勝てば自分の再選も確実になるというシナリオをずっと一貫して描いてきた。でも日本選手が金メダルをとっても内閣支持率は上がらないですよ。楽観的というか、そこにいちがばちかで懸けてきたツケだと思う」と指摘。

 そして「国民の信がなくなっている。しかも人々の間では棒読みであるとか、その棒読みも飛ばしちゃったりとか、もはや気の毒ですけど嘲笑の対象にまでなっていて、そうすると自民党のとりわけ若手の議員たちの間では“これは衆院選勝てない”と思うわけですと。衆院選勝てない、顔を変えないといけないということでここまで来ちゃったわけですよね。最後は奇策を連発して失敗したということ」と言い、菅さんは分かっていたはず。分かっていたけれど最後は、この人はケンカ、政治的な抗争が好きな人で、ずっとそうやって生きて来た人なので、最後は“岸田さんにだけは負けなくない”という一心だったと思う。ところがそれもできないってなって、全く周りが見えなくなってしまった。もともと)先に解散して衆院選やるっていう戦略だったのを1回このコロナの状況の中であきらめた。それをまた持ち出したってことで本当に自民党内、安倍さんが反対したと言われてますけど、みんな驚いてしまった。本当に常軌を逸しているのではないかというくらいの不安にかられてしまった。これはとても選挙やっても勝てやしないってことで一気に流れが決まってしまった」と自身の見解を述べた。

続きを表示

2021年9月5日のニュース