爆笑問題 パラアスリートの勇姿に大感動 いつか五輪と交ざり合う日が来てもいいな

[ 2021年9月5日 05:30 ]

パラリンピックのスーパーアスリートについて語る爆笑問題の田中裕二(左)と太田光
Photo By スポニチ

 熱戦が続いた東京パラリンピックも、5日で最終日。本紙の東京五輪・パラリンピック特別編集長を務めるお笑いコンビ「爆笑問題」の太田光(56)と田中裕二(56)がパラアスリートたちの迫力ある写真とともに、魅力を語った。

 田中 パラスポーツは見れば見るほど奥深いね。どうやってやってるの?みたいなプレースタイルがたくさんあった。

 太田 男子アーチェリーに出場してたマット・スタッツマン選手(米国)が印象的だったな。肩と顎で矢を挟んで、足で弓引くって本当にびっくり。12年ロンドン大会では銀メダルを獲った。

 田中 生まれつき両腕はないけど、足の握力が強いんだって。車の運転もできるし、歯ブラシも持って磨けるんだ。

 太田 もし会えたら、田中の頭にリンゴ乗せて射抜いてもらいたいね。

 田中 なんでだよ!射抜くのはもちろん凄いけど、それを引き受けた俺の度胸が凄いって話になっちゃうよ!

 太田 両腕がない選手で言えば、卓球男子シングルスのイブラヒム・ハマト選手(エジプト)も凄い。ラケットを口にくわえて、足の指でサーブトスとか、どれだけ練習したんだろう。

 田中 最初の頃はすぐに歯が痛くなったみたいで、牛乳とかカルシウムがあるものを積極的に取って強化したらしいよ。

 太田 いろんな努力があるんだね。あとは競泳で2つの銀メダルを獲得した山田美幸ちゃん。最年少の14歳でメダル獲得なんて、よくやったよ。

 田中 2年前に肺がんで亡くなったお父さんの口癖が「お父さんはカッパだった」。レース後のインタビューで「私もカッパになったよ」ってコメントは胸にくるものがあったね。

 太田 泳ぐ方のカッパって分かったのが偉いよね。相撲が強いとか、頭のお皿が乾くと良くないとか、いろいろあるじゃん。俺なら迷っちゃうな。

 田中 架空のキャラクターではあるけど、だいたい泳ぐ方だろ!

 太田 ボッチャ個人で金メダルの杉村英孝選手も凄い。テレビの企画で1回やったけど難しかった。まあ1年くらい練習すれば俺はできるようになると思うけど。

 田中 そんなことないだろ!健常者と一緒にプレーはできるし、可能性を感じるスポーツだけど。

 太田 ボールはソフトボールくらいの大きさで、中身の詰まったお手玉みたいな感触。重いし、力加減が難しい。だけど選手は投げて球の上に乗せたりしてて、神業だよ。「ビッタビタ」って称賛されていた。

 田中 その言葉はよく登場するようになったね。ところで、男子走り幅跳びで今回3連覇を達成したマルクス・レーム選手(ドイツ)の跳躍が格好よかった。自身の持つ世界記録は8メートル62。16年リオ五輪の金メダル選手(8メートル38)よりも跳んでいて、オリンピアンと遜色ない記録だけど「義足がバネになる」って理由で五輪の出場を認められてない。

 太田 義足の技術が進化したとしても、それを使いこなすだけの身体能力と努力があっての記録。五輪でも重量挙げで初のトランスジェンダー選手が誕生したし、いつかは五輪とパラリンピックが交ざり合う日が来てもいいと思うな。

 田中 車いすテニス男子シングルスで金メダルに輝いた国枝慎吾選手は、テニスの元世界王者ロジャー・フェデラー選手に「日本には国枝がいるじゃないか!」って言わしめた存在だしね。

 太田 国枝さん、ラケットの下に「俺は最強」って書いてるんでしょ?俺も「下には田中がいる」って書いて励みにしてるよ。

 田中 なんでだよ!励みにならないだろ。

 太田 ところで、前に見たドキュメンタリーのキャッチコピーだけど「五輪は英雄が誕生するが、パラリンピックは英雄が集まってくる」って本当だと思ったね。

 田中 普段から道のちょっとした段差とかで、不自由を感じることもあると思う。車いすや介助者など、健常者より手で何かに触れる機会も多いし、元々の疾患もある。コロナ下では消毒もより注意して行ってきた。

 太田 制約がたくさんある中でも、努力を続けてきたパラアスリートたち。そのスーパープレーはより一層感動した。

 田中 本当にそう思う。力強く競技に取り組む姿は忘れられないね。

続きを表示

この記事のフォト

2021年9月5日のニュース