藤井2冠 次戦は5戦全敗中の豊島竜王と対戦「実力高めて臨む」 10・5王将戦挑戦者決定L

[ 2020年9月24日 05:30 ]

「藤井聡太棋聖就位式」で、師匠の杉本八段(左)から花束を受け取る藤井棋聖(代表撮影)
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 将棋の第91期棋聖就位式が23日、東京都内で行われ、7月に17歳11カ月の史上最年少でタイトルを奪取した藤井聡太棋聖(18)=王位との2冠=に就位状、賞杯などが贈呈された。

 22日の第70期王将戦(スポーツニッポン新聞社、毎日新聞社主催)挑戦者決定リーグ開幕戦で羽生善治九段(49)に苦杯を喫してから一夜明けた藤井は晴れやかな表情で祝いの場に現れた。「(激戦後で)寝付けるかどうか心配だったんですが、最終的にはしっかり寝ることができ、今日を迎えて良かったと思います」賞金とは別に戴冠時の年齢にちなんだ171万1000円の特別賞金を手にして恥ずかしげに微笑した。

 式後の会見では、前夜の余韻で羽生に敗れた際の戦法「横歩取り」について尋ねられた。12日のJT杯でも豊島将之竜王(30)に屈した進行だけに注目されたが「いろいろな展開が考えられ、完成形はないというか、可能性のある展開が多い。読みと形勢判断を問われる印象です」と即答。「探究」がモットーの藤井にとって、確固たる答えのない未開の地を開拓するのがライフワークだ。結果的に勝率の低い手順でも、どこかにエルドラド(黄金郷)が存在する。そんな信念を持つだけに横歩取りドンと来いの心境もちらりとのぞかせた。

 王将戦挑決リーグの次戦は10月5日、相手は5戦全敗中の豊島。「非常に隙のない印象。対策というより自分の実力を高めて臨むのが大事」と顔色一つ変えず言い切った。どんな作戦でも受けて立つ。18歳にしてすでに求道者だ。(我満 晴朗)

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