三浦春馬さん メモ帳に「死を考えている」つづられた仕事への思い 役者論が詩のように

[ 2020年7月20日 05:30 ]

俳優の三浦春馬さん
Photo By スポニチ

 18日に自宅で首をつった状態で発見され、死亡が確認された俳優の三浦春馬さん(享年30)の衝撃死から一夜明けた19日、自宅から見つかったメモ帳の紙に「死を考えている」と書かれていたことが分かった。警視庁は自殺とみており、慎重に裏付けを進めている。仕事に真面目に取り組み、関係者の誰もが「好青年」と話す三浦さん。だが最近は酒量が増加するなど、思い悩んでいた様子もうかがえる。

 「死を考えている」。捜査関係者によると、自宅で見つかったメモ帳の紙は複数枚あり、その中の1枚に、そう書かれていた。他の紙には、仕事に対する思いや役者論が詩のようにつづられていたという。中には具体的な俳優名を挙げて「こんな意見をかわした」と書かれたものもあった。

 衝撃とともに受け止められた突然の死。悲劇の直接的な原因は分からないが、周囲は3年ほど前から三浦さんの変化を感じ取っていた。その頃から破滅的な飲み方を繰り返すようになったのだ。人目を気にせず浴びるように酒を飲む。1人で飲むことも増え、知人は「劇的に酒量が増えた。嫌なことから逃れたかったのか“もうどうでもいい”という感じで飲むことが多かった」と話した。

 当時、何が起きていたのか。仕事は順調だった印象が強いが、私生活ではダンサーの菅原小春(28)との交際が1年ほどで破局している。別の知人は「女性に依存するタイプではない。関連性はないと思うのですが、その頃からプライベートが荒れ始めた」。そんな生活がずっと続いていた。

 最近も大きな環境の変化があった。新型コロナウイルスの感染拡大による影響で、主演舞台「ホイッスル・ダウン・ザ・ウィンド」の1カ月公演が1週間で中止になったことだ。当初は3月に東京、4月に5都市で上演予定だった。

 ドラマ関係者は「三浦さんはストイックに役づくりする。役柄に入り込むので作品が終わった後に“役抜き”の時間を取ることがあった。不完全燃焼で抜けきれなかったのではないか」と指摘する。社会の誰も信じられず疑心暗鬼になる脱獄者役で、少女と出会って心が浄化される物語。舞台上で全てを出しきれなかったことで日常生活に不安を抱えていた可能性がある。警視庁も事件性がないことを裏付ける作業の中で、コロナ禍が及ぼした仕事への影響についても調べを進めている。他にも約3年前に、三浦の継父と暮らしていた茨城県の実家から母親が出て行くなどプライベートでも悩みを抱えていたとみられる。

 仕事関係者はその人柄を「真面目な人」と口をそろえる。三浦さんの最後のメッセージからは「死」について思い詰めていた様子と、人生を懸けて役者に身を投じていたことが痛いほど伝わってくる。所属事務所はこの日も「詳細を確認中」としており、詳しい状況はまだ分かっていない。三浦さんの思いを、今後残された人がどのように受け止めていけばいいのか。まだ答えは見つかっていない。

続きを表示

2020年7月20日のニュース