葉月里緒奈 インスタ料理写真の多幸感

[ 2020年7月20日 12:00 ]

葉月里緒奈主演の映画「黒の天使 vol.1」のパンフレットの表紙
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 【牧 元一の孤人焦点】女優の葉月里緒奈のインスタグラムを近ごろよく見ている。掲載されている写真はほぼ料理一色。しかもステーキや焼き肉、中華料理など、こってりとしたものが多い。ながめていると、食べ物の好みが近いせいだろうか、こちらまで幸せな気分になる。

 コメント欄に送られるメッセージに返信している日もある。17日掲載のたこ焼きに関して「ソースがお好み焼きソース」と指摘されると「たこ焼き用ソースがあるんですか?全く無知な初心者です」と率直な返答。読んでいて、ほっこりする。

 インスタに料理の写真を掲載し続ける理由を本人に尋ねると「日記のようなものです。何を食べたか、何をしたかを思い出せて良いです」との答え。確かに、毎日の料理の写真を残しておくと、後々、備忘録として便利であることは間違いない。

 それにしても、もともと料理が好きだったのだろうか。1998年に出版された著書「真実」を読み返してみると、面白い。この本には食生活に関して書いた章があり、自分が食べることに興味も執着もないことを打ち明けている。ある日の食事は朝がカフェオレとゆで卵、昼がチーズバーガー、そして夜もチーズバーガーだったという。

 ところが、その一方で、料理を作ることについては「好き」「上手」とアピールしている。自慢料理として挙げているのは、シーフードパスタ。数多くの野菜、白ワインを4、5時間かけて煮詰めてソースを作る方法も記している。つまり、当時は料理より女優業に心を砕いていたが、家庭を持つなどして料理を作るべき時が来ればちゃんと作れるということ。それが2020年の現在なのだろう。

 この本の出版と同じ98年には、主演映画「黒の天使 vol.1」が公開された。手元に残っていたパンフレットには「ノワール・ムードたっぷりのアクション・ヒロイン一光役に挑戦し、配役筆頭の大役を見事にこなした。今後、日本映画に欠かせぬ女優となりつつある」などと書かれている。

 高島礼子、根津甚八、椎名桔平ら豪華な共演陣の中で、生命感あふれる演技をしていたのを思い出す。特にホテルの一室で楽しそうにダンスするシーンは、「魔性の女」というより、はつらつとした女子高生のように明るく、ほほえましかった。

 あれから既に20年以上の歳月が流れた。このまま多幸感のある料理の数々を見続けるのも決して悪くはないが、また映画の中で躍動する姿を見たい気もする。

 ◆牧 元一(まき・もとかず)1963年、東京生まれ。編集局デジタル編集部専門委員。芸能取材歴約30年。現在は主にテレビやラジオを担当。

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