阪神・大山 “守勲”超絶バックトス! 猛チャージから本塁突入の三走刺した「シミュレーションしていた」

[ 2023年6月1日 07:00 ]

交流戦   阪神0―4西武 ( 2023年5月31日    べルーナD )

<西・神>好守を見せた大山
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 阪神・大山がスーパープレーに勝利への執念を込めた。2点劣勢の7回1死一、三塁。源田が初球に試みた一塁前へのセーフティースクイズに素早く反応した。猛チャージで捕球するやいなや、すぐさま右手に持ち替えて、5メートル強先の梅野へ絶妙なバックハンドでトス。ヘッドスライディングで突入してきた三塁走者・鈴木を間一髪で刺した。西武側のリクエストでも判定は変わらなかった。

 「アウトにするにはあれしかなかった。グラブトスできる距離じゃない。1点を取られたらいけない場面。とっさに、というか、こういう打球が来たらこう…というシミュレーションはしていた」

 バックハンドトスは二塁手が二ゴロ処理で二塁ベースカバーの遊撃手に転送する際に用いるのが一般的。それすら頻度は決して多くない。一塁手が本塁側へ前進しながら進行方向に向けて正確にバックハンドで投げることは極めて珍しく、難易度も高い。岡田監督から「自衛隊」と称される名手だった馬場内野守備走塁コーチは「素晴らしい。当然セーフティースクイズがあるという頭もあったと思う。(バックハンドで)ストライクを投げるのも難しいのに」と称賛を惜しまない。

 新人時代だった17年に1試合だけ二塁で出場。当時の金本監督の方針で二遊間の練習を積んだ若き日の経験も生きた。一塁専念の今季は2月のキャンプから守備への高い意識を持ち、開幕後も人一倍ノックを丁寧に受ける姿は変わらない。3回にゴロをはじいて3個目の失策。挽回の好守に「あの場面ではよかった」と胸を張った。

 同時に9連勝で止まった事実に唇をかんだ。「すぐ切り替えられることはない。(打線が)抑えられて負けたという反省はしなくてはいけない。明日の試合に引きずらないようにして臨みたい」。2四球を選んで2打数無安打。独走態勢を固める6月を主砲として見据えた。(八木 勇磨)

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