中日・涌井 “4度目の正直”で4球団勝利「まずは一安心」

[ 2023年4月27日 07:00 ]

セ・リーグ   中日6―3広島 ( 2023年4月26日    マツダ )

<広・中>移籍後初勝利をあげた涌井はR・マルティネス(右)からウイニングボールを受け取る(撮影・奥 調)
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 クールな男が一瞬だけ笑顔を浮かべた。中日・涌井は、守護神マルティネスが最後の打者を空振り三振に仕留めた瞬間をベンチで見届けると、石川昂とグッと握手を交わした。“4度目の正直”で移籍初勝利。19年寺原(ヤクルト)以来の4球団勝利、そしてセ・リーグ在籍1勝の歓喜をかみしめた。

 「まずは一安心ですね。ひとまずドラゴンズで1勝することができました」

 過去3試合は計18回、6失点(自責5)で防御率2・50ながら登板時の援護が1点のみで3連敗。この日も抜群の制球力が光った。コースを突く140キロ台後半の直球に、スライダーやカーブ、チェンジアップ、シンカーなどを効果的に織り交ぜた。7回3失点にまとめ、立浪監督からも「彼の素晴らしいところは6、7回でも球威が落ちない、スタミナを持っていること」と称えられた。

 昨年から投球フォームを見つめ直し、あご付近で構えたグラブを後方に引くタメの動作を入れた。「グラブの位置が高いと左肩が開きやすくなるので抑えたかった。球の出どころを見えにくくして体感を速くしようと」。今春キャンプでは横浜高の先輩で本紙評論家の松坂大輔氏と再会。「セとパで野球が違うではないですけど、攻め方や試合の状況とか、投手が打席に立つので、アウトを取れるところで、しっかり取るとか」と適応する準備を整えてきた。

 記念球はマツダスタジアムのロッカー室に置いてきた。「スタンドに投げようかなと思いましたけど、ビジターなので。基本的に記念球はロッカーに眠っていますね。初勝利の球はスタンドに投げましたし。よければ、持っていってください」と、さらりと言った。目標に掲げるのは史上初の4球団最多勝投手。背番号20が新たな一歩を踏み出した。(湯澤 涼)

 ○…涌井(中)が移籍初勝利。これで西武85勝、ロッテ48勝、楽天21勝に続く所属4球団目の白星。4球団以上で勝利を挙げるのは19年寺原隼人の4球団(ダイエー、横浜、オリックス、ヤクルト)以来。過去の主な投手では、江夏豊の5球団(阪神、南海、広島、日本ハム、西武)、工藤公康4球団(西武、ダイエー、巨人、横浜)、野村収4球団(大洋、ロッテ、日本ハム、阪神)らがいる。

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2023年4月27日のニュース