好調・西武を支えるドラ6児玉 小さな体に無限の可能性

[ 2023年4月27日 08:00 ]

<ロ・西>軽快な動きで打球を処理する児玉(撮影・白鳥 佳樹)
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 誰がここまでの仕事ぶりを予想しただろうか。離脱中の源田に代わって遊撃を守り続ける西武のドラフト6位・児玉亮涼内野手(24)が今や、チームに欠かせない存在になっている。

 首脳陣の信頼が見えた場面があった。22日のオリックス戦。1―2で迎えた8回に同点とし、なお2死満塁。マウンドには3月のWBCにも出場した剛腕、宇田川がいた。百戦錬磨のベテランである栗山の代打という選択肢もあった中、児玉は打席に向かった。

 首脳陣から受けた信頼。意気に感じた新人も、その期待に応える。1ボールからの2球目。直球を左前に運び、決勝の1点をもぎ取った。光ったのは社会人(大阪ガス)卒の経験値。「フォークがいいのは分かっていたけど、前の打者が四球。ランナー三塁でフォークは投げにくい部分もある」。心は熱く、頭は冷静。直球一本に絞り、勝負を制した。

 試合後、松井監督は「代打は考えてなかったです」と迷いはなかった。この日の相手先発のエース・山本から5回に直球に振り負けず右前打も放っており「速球への強さはもちろんあると思うし、思い切りも非常にいい打者。本当に勝負強いとこで、いいところで打ってくれていますからね」と信頼する。

 正遊撃手で、右手小指の骨折で離脱している源田の代役として巡ってきたチャンス。開幕3戦目から先発出場を続け、堅実な守備も見せている。ネットには西武ファンから「♯児玉たまらん」の投稿が寄せられるほどだ。

 「プロの(投手の)レベルの高さも感じているし、凄くいい経験ができている。どんどん生かしていきたい」と児玉。身長1メートル66の体には、無限の可能性が詰まっている。
(記者コラム・福井 亮太)

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