阪神移籍初登板初勝利の大竹 前夜YouTubeで視聴したダルビッシュの話が、左腕のマインドを変えた

[ 2023年4月8日 19:48 ]

セ・リーグ   阪神1―0ヤクルト ( 2023年4月8日    甲子園 )

<神・ヤ(2)>ウイニングボールを手に笑顔の大竹(撮影・岸 良祐)
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 現役ドラフトでソフトバンクから阪神に加入した大竹が、6回無失点の好投で初登板初勝利を挙げた。

 「連敗を止めたという点では正直、チームが負けているからとかを考えないようにしているというか、だからこうと変わるものは正直ないので。メンタル的に気負いすぎるとダメというのは自分でも分かっているので、オープン戦で投げる時と変わらず。普段通りを意識しました」

 ソフトバンク時代の20年10月25日の西武戦以来、実に895日ぶりの白星。「昨年も2年前もそうですけど、1軍戦となったときに、2軍でできている投球ができないのが自分の中で一番の課題。それは結局技術的にどうとかではなくて気持ち的な問題なので、どうしたらいいかな…」とメンタル系の動画をYouTubeで検索し、昨晩にたどりついたのがダルビッシュ(パドレス)の動画だった。

 「ここで打たれたらホームラン怖いなとか、打たれたら2軍に落ちるかもしれないとかいろいろ過去の悪い記憶がフラッシュバックしたりしてくるけど、それを自分の声だと思わないという話をされていて。自分の声に似せた人が自分に向けて言っていて、第三者的な目で見れたらポジティブな自分が跳ね除けさせる。今日もすごいそういうのが何回も頭をよぎったんですけど、そこでそのまま投げてしまうのが去年だった」

 動画の効果は絶大だった。「ネガティブな自分が出てきたときに『分かった、分かった』という俯瞰できること、今日に関してはそれがハマった。今日も1―0で勝ってましたけど別にここで1本HR打たれても1―1じゃんって思って、山田さんとか村上とかも勝負できた。それぐらいの点あげてもいいやぐらいの感覚で投げられると、ボール、ボールじゃなくてしっかりゾーンで勝負できるのかなって」。本来登板予定だった5日広島戦の前日も、不安が心の中を占めていた中で西勇の言葉に気づかされることがあった。

 「広島で投げる前日だったんですけど、『お前、きょう外食いけるか?』と言われて『いや、登板前日に外食はいかないですね』って言ったら『そういうとこやで』みたいに言われて。『でも2軍戦やったら行くやろ?』と言われたら『2軍戦だったら行きますね』って。なので昨日は外食行きました。ステーキを食べて」

 阪神に移籍し、出会えたのは新しい自分だ。「人間観察好きなので、1年間ローテを守られている皆さんを見てないような振りしてめっちゃ見ているんですけど。見た時にこういう所が違うなって、青柳さんだったり西さんだったり、将司(伊藤)もそうですけど。そういうのをめっちゃ感じるところがあって。いいところはもういただいていきたいというか、ついていきたい」。強力な先発陣に、また1人頼れる戦力が加わった。

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2023年4月8日のニュース