ゲーム時間短縮に成功したMLB 次の…もっと重要な課題はいかに野球を最後まで見たいゲームにするか

[ 2023年4月8日 10:23 ]

今季MLBに導入されたピッチクロック(AP)
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 スポーツ専門サイト「ジ・アスレチック」がMLBのゲーム時間短縮の次に来る課題について報じている。

 ピッチクロックのインパクトは大きく、開幕から8日間で、2時間半よりも短い試合が30試合もあり、3時間半を超えた試合は1試合しかなかった。去年の同じ時期と比較すると、3時間半以上の試合は34試合もあった。2時間15分よりも短い試合は9試合で、昨季は4月から6月までの最初の3カ月間をとっても、2時間15分より短い試合は4試合しかなかった。短縮には成功したが、次のもっと重要な課題はいかに野球を最後のアウトまで見たいゲームにするかだ。

 MLBファンは伝統的に、NFL、NBAなどのファンと比較すると、試合の途中で球場を離れてしまうことがとても多い。NFLは3時間の試合であっても、よほど一方的な展開にならない限り、スタンドは満員で観客は最後まで残って試合を見ている。違いはゲーム展開で、いかに終盤に盛り上がるゲームにしていけるかだ。18年から22年のデータによると、MLBでは試合が始まって45分くらいで、その日の全観客の95%くらいが席に就いている。それが開始から2時間が経った頃に90%に減り、2時間半で80%に減り、3時間になると60%まで落ちてしまう。最後まで見届けずに帰ってしまう。ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)決勝は、大谷翔平が9回のマウンドに立ち、米国代表のマイク・トラウトらが大谷をいかに攻略するか、ドラマへの期待感から、試合が長くても最後のアウトまでファンが釘付けになった。試合を短縮することは重要だが、野球を面白く、9回まで見たくなる試合にすることがもっと重要な課題なのである。

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2023年4月8日のニュース