ソフトB・藤本監督、約90分の“再生塾” 正木&上林に直接打撃指導

[ 2023年4月8日 07:10 ]

<ソフトバンク練習>藤本監督(81)の指導を受けながら打撃練習する上林(左は正木)(撮影・岡田 丈靖)
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 ヒロシ再生劇場が宮崎で開演した――。ソフトバンクは7日、九州6会場で開催される「ファイト!九州デー」の初戦となるきょう8日の西武戦(宮崎)に向け屋内練習場で調整した。藤本博史監督(59)は、開幕から4試合に出場も無安打の正木智也外野手(23)と、5試合1安打の上林誠知外野手(27)にティーボールと助言を投げ続ける直接の打撃指導。正木のスタメン復帰を示唆するとともに、復調とレギュラー定着に期待した。

 熱意も熱気も、むんむんの約90分間だった。藤本監督はサンマリンスタジアム近くの室内練習場を出るなり「ティー投げたの、久々やわー」と帽子を脱いで大汗を拭った。言葉と白球でトスを上げ続けたのは、正木と上林。打力が魅力の両外野手だ。ただ、開幕から6試合で両者に本来の快音は響かず。共通の改善点、打席での「間(ま)」を伝えた。

 まずは5試合に出場し13打数1安打5三振、打率・077の上林のもとに近づいて、いきなり大股を開かせた。

 「低い球が得意なはずなのに、体の開きが早いし合ってない。振るんじゃなく、低い球をためて拾えと言った」

 下半身強化にもなりそうな超低め打ちを徹底させた上で、わざとワンバウンドでトス。上林は引きつけてネットに鋭い打球を打ち続け「いろんな打ち方をさせてもらった。まだ開幕したばかりですが何とかしたい」と感謝した。

 上林のフリー打撃を遠方で見守った後には正木にロックオン。まずは「もっと気楽にいけ!」と言葉でリラクゼーション効果を与え、ティー打撃に密着。内角球に思い切り腰を回すジャスチャーを正木の横で繰り返した。

 「5番・中堅」で正木を開幕スタメン起用も4試合で9打数無安打。「打ちたい気持ちが先にいっている。ヒット1本で変わる」と的確な助言で、前のめりの心・技・体を修正した。その後、正木は“間”を取るため、打撃投手のスローボール強振を繰り返した。
 西武戦前のヒロシ再生劇場のターゲット。実は藤本監督にとっては新旧の強化選手でもある。1軍打撃コーチだった17年、工藤前監督に上林の積極起用を提案。“50打席ください”と提案し18年の全143試合出場につなげた。

 今季開幕前には「正木には50打席はやりたい」と公言。左打者に主力が多い中で右の大砲として期待する。正木が「期待を感じていますし何とか結果で恩返しをしたい」と気負う中で藤本監督は「正木が育っていかないとね。おそらく使う」。秘蔵っ子2人の再生へ、今日の西武戦でまずは正木のスタメン復帰をにおわせた。 (井上 満夫)

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2023年4月8日のニュース