阪神・森下、プロ初三振の悔しさ晴らすぞ!! 平常心で虎新人聖地最速弾でやり返す

[ 2023年4月8日 05:15 ]

セ・リーグ   阪神1―3ヤクルト ( 2023年4月7日    甲子園 )

<神・ヤ>7回1死一塁、右飛に倒れて天を仰ぐ森下(撮影・北條 貴史)
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 阪神は7日、甲子園“開幕”となったヤクルト戦に1―3で惜敗し、2連敗となった。ドラフト1位・森下翔太外野手(22)が「6番・右翼」で先発出場も、ホロ苦い聖地デビューとなった。一発が出れば逆転サヨナラの9回2死一、二塁で、通算22打席目でのプロ初三振を喫して最後の打者になるなど4打数無安打。チームも6年ぶりにシーズン甲子園初戦を黒星発進となった。相手打線の2発に沈んだ初戦の雪辱を期し、8日の第2戦で球団新人の聖地最速弾となる逆襲の一発を狙う。

 聖地に渦巻く歓声が、一瞬にしてタメ息へと変わった。2点を追う9回2死一、二塁。森下は1ボール2ストライクから相手守護神・田口が投じた低めのスライダーにバットを止めきれず、不完全燃焼のハーフスイングでの空振り三振を喫した。通算22打席目にして森下のプロ人生に初めて刻まれた「K」の文字。悔しさを押し殺しながら「審判の判定に従うしかないので…仕方がない」と言葉少なに振り返った。

 初めて味わった「甲子園」の雰囲気。本番は、オープン戦とは異なる熱気に包まれていた。試合前から雨が降りしきる中でも、黄色い雨具を身にまとった虎党が多く詰めかけ、試合開始を信じて待った。無事にプレーボールがかかった後に一時中断を挟んだが、熱気は一向に冷めることはない。約3年半ぶりに本拠地の公式戦に戻ってきた「声」も、森下の背中を強く押した。

 「応援がすごいな、と。でも、普段と変わらずです。天気が荒れていたけど、ゴロやフライは捕れた。特に感慨というものはないですね。どこの球場であってもやらないといけないのは同じなので」

 その中でも、平常心を貫いた背番号1。これから何百試合と死闘を演じる場所で記した大きな一歩も、この日の森下にとっては、さほど意味を持たなかった。試合に負けたという事実がルーキーからプラスの感情を奪う。裏を返せば、もう立派に主力としての自覚を備えているということ。負けたままで、引き下がれるわけがない。

 だから、8日の第2戦での逆襲に期待が高まる。それがプロ初アーチなら最高だろう。球団新人の甲子園最速本塁打は、56年大津淳がマークしたチーム2試合目。つまり新人の森下が快晴予報の8日の一戦で豪快な一発を放つことができれば、ほこりをかぶった大記録に67年ぶりに並ぶことになる。2連敗となった猛虎の再ダッシュへ向け、22歳のバットがこれ以上ない起爆剤となり得る。

 チームは17年以来、6年ぶりとなる甲子園“開幕”を黒星発進。雨と悔しさにまみれた聖地のデビュー。苦い記憶は、自身の快音で更新する。(八木 勇磨)

 ○…2リーグ制後の阪神で、甲子園で放った本塁打が早かった新人は1956年大津淳のチーム2試合目(6打席目)。次いで、69年田淵幸一(4打席目)と2019年近本(3打席目)のチーム3試合目。森下が8日の試合で一発を放つと、大津の記録に並ぶがどうか。 

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