広島・菊池涼 “快気祝い”代打で自身初の決勝打!弱気な心捨て「当てたら何かが起こる」

[ 2022年8月28日 04:45 ]

セ・リーグ   広島6-4巨人 ( 2022年8月27日    マツダ )

<広・巨> 8回、勝ち越し適時打を放った菊池涼 (撮影・光山 貴大)
Photo By スポニチ

 千両役者が快気祝いのV打を放った。広島は27日の巨人戦に6―4で辛勝。同点に追い付かれた直後の8回無死三塁の絶好機に、新型コロナウイルス陽性から戦列復帰したばかりの菊池涼介内野手(32)が代打で勝ち越しの右前打。8回途中に救援したケムナに4勝目が付き、守護神・栗林は25個目のセーブで締めた。

 Aクラス争いの混戦に踏みとどまれるか否かの分岐点で役者が勝負強さを発揮した。絶好機をお膳立てした大盛と上がった本拠地のお立ち台。菊池涼は苦しかった離脱期間を振り返りつつ、真っ赤な観衆への感謝の気持ちをしみじみと語った。

 「10日間テレビを見ていて寂しかったし、プレーしたかった。ここに立った時、皆さんの拍手、声援が力になると改めて思った」

 同点に追い付かれた直後の8回、先頭・大盛が中越え三塁打で出塁し、羽月に代打・菊池涼が告げられた。5番手・クロールが投じたカウント2―2からの5球目。外角高め直球を叩くと、打球は前進守備を敷く一、二塁間をゴロで割った。

 「(大盛)穂がセンターオーバーを打った時点で本塁まで還ってきてくれないか…と。ネクスト(バッターズサークル)では弱気な心で見つめていた。バットに当てたら何かが起こる…と打席に入ったら当たってくれた」

 16日に新型コロナの陽性判定を受け、登録抹消。直前14日の巨人戦後には、混戦を勝ち抜くのに「一人一人がやるべきことをしっかるやること」と強調していただけに、戦線離脱の無念さは察するに余りある。発熱などの症状が治まり、前日26日から練習に合流。この日に出場選手登録されたばかりだった。

 「まだ息が上がることがある。練習もそんなにできていない。ただ、監督に起用された以上、やるしかない」

 リーグ3連覇に貢献した不動の二塁手。代打起用そのものが少なく打点を挙げるのは12年7月3日の阪神戦以来10年ぶり。代打決勝打は通算15度目で初だ。同じ新型コロナ陽性からの復帰初戦を白星で飾った佐々岡監督は「勝てて良かった。一番いい場面でキク(菊池涼)がしぶとく打ってくれた」と絶賛した。

 「まだゲーム差でも可能性があり、だんご状態。しびれる戦いは続くし、気を抜くことは一切ない。必死になってやっていきたい」

 病み上がり。状態は万全じゃない。それでもベンチに姿があるだけでナインは勇気づけられ、出場すればきっちり仕事をこなす。混戦で、32歳の存在が心強い。(江尾 卓也)

続きを表示

この記事のフォト

2022年8月28日のニュース