オリ・宮城、自力V復活呼ぶプロ初完封で2年連続2桁勝利王手 前回8回零封も降板指令の悔しさ晴らす

[ 2022年8月28日 04:45 ]

パ・リーグ   オリックス6―0西武 ( 2022年8月27日    京セラD )

<オ・西>宗佑磨のかわいがりに慌てる宮城大弥(撮影・井垣 忠夫)
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 最後の打者・山川を左飛に仕留めると、オリックス・宮城は、その左腕で、ガッツポーズを繰り出した。プロ初の完投勝利を無四球完封で飾り、記念球をぎゅっと握りしめた。

 「監督に、やっといい投球ができたなって(伝えたい)。(8回のベンチで)高山さんを見た時は無視されて、どこか行きましたが、(監督代行の水本)ヘッドは、うなずきながら“いくぞ”という目をしてくれました」

 混戦の首位戦線のまっただ中で、中嶋監督が新型コロナウイルス陽性で離脱。指揮官不在の危機を、「中嶋チルドレン」が救った。

 インステップ投法から右打者の内角を突くクロスファイアに、100キロ前後のカーブを織り交ぜた。この緩急を生む武器は、新人だった20年の2軍時代に投球の幅を広げるため指揮官の勧めで習得したもの。前回20日の対戦は8回零封も中嶋監督から「バテているからダメ」と降板を命じられたが、その教えに応える形で4安打に封じ、投げ抜いた。

 自身3連勝で今季9勝目とし、2年連続の2桁勝利に王手。チームは自力優勝の可能性が再び復活し、首位・ソフトバンクに2ゲーム差に迫った。宮城は「毎週、長い回を投げられる投手が球団のエースだと思うので、1回で終わらないように。監督が帰ってきたときに、いい順位にいられるように」と頼もしかった。(湯澤 涼)

 ▽宮城の前回登板 8月20日の西武戦(ベルーナドーム)。8回まで100球、打者29人を5安打無失点の好投。ベンチに戻ってもグラブをはめたまま、9回の続投をアピールしたが、首脳陣には通じず「“おまえは(山本)由伸さんじゃないからダメ。バテているからダメ”と言われました」と明かした。プロ初完封目前の無念の降板に「前回“ゼロだったら行かせる”と言われたのに…。次回はやりたい」と切り替えていた。

【データ】
 ○…宮城(オ)が無四球のプロ初完封。完投は今季7月13日ソフトバンク戦に続く2度目だが、前回は8回完投敗戦(無四球)のため、プロ初の完投勝利だ。3連勝で今季9勝目とし、2年連続の2桁勝利にもリーチ。10勝到達ならチームでは西が14~16年の3年連続で2桁勝利を記録して以来6年ぶり。左投手では星野伸之の87~97年の11年連続以来25年ぶりになる。
 ○…無四球完封は6月22日ソフトバンク戦の田嶋に続く今季チーム2度目。シーズン2度は17年4月14日の金子と8月26日の山岡以来5年ぶり。

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2022年8月28日のニュース