夏の逆襲へ巨人が新助っ投・クロール獲得 MLB救援243戦&最速157キロ左腕に中継ぎ期待

[ 2022年7月5日 05:00 ]

巨人が獲得することが分かったクロール(撮影・杉浦大介通信員)
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 巨人が、新外国人としてメジャー通算243試合に登板したイアン・クロール投手(31=前パドレス傘下3Aエルパソ)を獲得することが4日、分かった。近日中にも球団から発表される見込み。経験豊富な救援左腕は最速97・6マイル(約157キロ)の直球と、多彩な変化球を駆使する。チームの課題だった左の中継ぎを補強し、13・5ゲーム差をつけられている首位・ヤクルトを追いかける。

 巨人が逆転優勝へ向け、メジャーの実績が十分な外国人補強に踏み切った。タイガースなどでメジャー通算243試合に登板し、8勝6敗1セーブ、防御率4・49の成績を挙げたクロールは、終盤の勝ちパターンの継投を担える左腕だ。

 直球は切れで勝負する球質で、平均150キロ前後。昨季はスライダーの割合が全投球の39%と最多で、カットボール、カーブ、チェンジアップなども交える。メジャーでは通算208回2/3を投げ、196奪三振をマーク。ヤクルトの4番・村上ら、左の強打者から三振を量産することが期待される。

 今季、チームの中継ぎ左腕は開幕から今村、高梨がフル回転。疲労が蓄積する夏場に向け、原監督は「左のセットアップがもう1人欲しい」と話していた。6月に入り高木、戸根を1軍に昇格させているが、チームの課題は7、8回の投手起用。リーグトップタイの23セーブを挙げている守護神・大勢につなぐことができずに、勝ちきれない試合も目立っていた。

 クロールは今季メジャーでの登板はなく、パドレス傘下3Aエルパソでは秋山(現広島)とともにプレーしていた。6月中に退団が決まると、海外でのプレーを視野に、移籍先を模索。「日本の文化が好き。そこから何かを学べる。日本のプレースタイルを見てみたい」と、日本でのプレーも熱望していた。左の中継ぎが補強ポイントだった巨人と思惑が一致。近日中にも球団から発表される見込みで、オフに獲得したシューメーカー、アンドリース、ポランコ、ウォーカーに続き、5人目の新外国人選手となる。

 チーム防御率3・82、救援投手の防御率3・95はともにリーグ5位。メジャー経験豊富な左腕が加われば、投手起用の幅が広がる。首位・ヤクルトとは13・5ゲーム差。08年の13ゲーム差を上回る球団史上最大の逆転優勝へ、最後まで諦めない姿勢を示す。

 ◇イアン・クロール 1991年5月9日生まれ、米イリノイ州出身の31歳。09年ドラフト7巡目でアスレチックス入り。13年の開幕前にナショナルズへ移籍し、同年6月5日のメッツ戦でメジャーデビュー。ブレーブス時代の16年には自己最多の63試合に登板した。通算243試合に全て救援で登板して8勝6敗1セーブ、防御率4.49。1メートル85、95キロ。左投げ左打ち。愛称は「キングクロール」。

 ≪セ最多リリーフ21人も≫今季の巨人はリーグ最多の21人をリリーフで起用。成績は78試合で13勝12敗25S63Hとなっている。防御率は3.95で広島の4.02に次ぐリーグワースト2位。首位独走中のヤクルトの2.56より1.39も悪く、12敗も阪神15敗、広島13敗に次ぐワースト3位だ。リーグ最多タイの23セーブをマークしている大勢が守護神として控えているだけに中継ぎ陣の整備が急務だ。

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