香田勲男氏 九州文化学園監督就任 長崎へ恩返し 春夏通じて初甲子園狙う

[ 2022年6月21日 09:56 ]

九州文化学園の香田監督
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 高校野球の長崎大会は7月7日に開幕する。春夏通じて初の甲子園出場を狙う九州文化学園は巨人、近鉄で通算67勝を挙げた香田勲男氏(57)が新監督に就任。地元への恩返しを誓う指揮官は巨人時代に師事した藤田元司監督のような芯の通った指導者を目指す。

 風光明媚(めいび)な九州文化学園のグラウンドから香田監督の新たな挑戦が始まった。ノーシードで迎える初めての夏に向け「試合をするごとに進化していくようなことになっていけば」と力を込めた。

 長崎県出身。佐世保工では2年夏から3季連続で甲子園に出場した。高卒でプロ入りすると巨人、近鉄で通算67勝をマーク。引退後は指導者としても活躍した。20年オフに2軍コーチを務めていた阪神を退団。その後、学生野球資格を回復した。「いつかは地元に戻ってというのは思っていました」と九州文化学園からのオファーを受け監督就任を決断した。

 理想の指導者像には巨人時代の藤田元司監督が浮かんでいる。89年の日本シリーズ。第1戦から3連敗し、後がない第4戦に香田監督は先発を任された。日本シリーズ初登板、初完封の快投で起用に応えチームは4連勝で逆転日本一に輝いた。引退後に投手コーチを務めたときに、後がない土俵際で自分を起用できたか?と感じたという。「(藤田監督は)ぶれないところ、選手を信じるところが凄かった。私も芯を貫き通した指導者にあこがれますね」と語った。

 選手とは雨でグラウンドが使用できない日などを中心に個人面談を実施するなど積極的にコミュニケーションを図っている。「風通しのいいというか、何でも質問して、と言ってます」と話した。

 「いいとこ取りをしていきたい」とプロの指導者時代に学んだことも生かしていく。阪神のコーチ時代に同僚だった久保康生氏が平均台を使用したシャドー投球を練習でやっていた。これを高校の練習に採用。投手陣はバドミントンのラケットを振ってシャドー投球を行い、フォームを固めている。「投手はいいものができてきた」と手応えを感じている。

 長崎への思いは強い。佐世保地区だけでなく、有望な選手が県外に流出している現状に危機感を持っている。香田監督は「いいチームだな、九文に行きたいな、と選択肢の一つにしてもらえるチームづくりをしていきたい」と気を引き締めた。

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2022年6月21日のニュース