阪神・島本が支配下選手契約、背番号は「46」 左肘手術・リハビリ乗り越え「矢野監督に恩返しを」

[ 2022年6月21日 05:15 ]

支配下登録となり背番号も「46」に決まった島本
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 阪神は20日、育成選手の島本浩也投手(29)と支配下選手契約を結んだと発表した。背番号は「46」で年俸は現状維持の2100万円(金額は推定)。20年11月に左肘のトミー・ジョン手術を受け、つらく長いリハビリを乗り越えてはい上がってきた。19年に63試合に登板とフル回転した左腕は、1軍戦力となってチームの上位進出に貢献することを誓った。

 背負う数字を変えて、何より強くなって帰ってきた。絶望から光ある場所にたどり着いた島本は、言葉に力をみなぎらせた。

 「うれしい気持ちでいっぱい。(背番号46は)秋山さんが背負っていた番号。活躍して、自分の番号にしたい」

 なかなか好転しなかったリハビリ生活を思い返した。「長かった。苦しかったけど、トレーナーさんやいろんな人に支えられてここまで来られたんで。成績で恩返ししたい」

 19年に自己最多の63試合登板とフル回転した代償はあまりにも大きかった。痛みを抱えながらシーズンを完走し、オフにクリーニング手術を受けても状態は改善されず。20年11月にトミー・ジョン手術に踏み切り、育成契約となった。術後4カ月でスローイング再開にこぎ着けたものの“一進三退”と言っていいほどの苦闘が待っていた。「今年のキャンプに入るぐらいまではずっと、全く投げられない状態。上がっていく雰囲気もなかったというか…4カ月目からこのキャンプまではずっとしんどかった」

 突然、視界が開けたのは今春キャンプ中だ。「かなり状態が上がって“いける”となったんで。急に投げられるようになってきた」。5月29日のウエスタン・リーグの中日戦で705日ぶりの実戦復帰。17、18日の同・オリックス戦では連投テストもクリアした。リハビリ管轄から外れた2日後に朗報が届いたが「これからやっていかないといけない気持ち」と表情に安どはない。ここまで5試合に登板して防御率0.00でも、「復活」を示す出発点に立っただけ。「しっかり仕上げていく」と今後も結果はもちろん、質と内容を求めて昇格を目指す。

 「19年にチャンスもらって投げさせてもらった。恩返しというか。この2年は何もできていないんで最後、戦力になって優勝したい」。今季限りで退任する矢野監督の前で、再び躍動することが大きな使命になる。(遠藤 礼)

 【島本復帰への経過】

 ▽20年11月5日 阪神は島本が左肘内側側副靱帯(じんたい)再建術(通称トミー・ジョン手術)および左肘関節鏡視下滑膜切除術を終え、退院したことを発表。

 ▽12月8日 年俸2800万円で契約更改。育成選手となる。

 ▽21年2月1日 2軍の安芸キャンプに参加。

 ▽12月10日 年俸2100万円で契約更改。リハビリが続いており「来シーズンからしっかり試合で結果出していけるように」と意欲。

 ▽22年2月1日 2軍の安芸キャンプに参加。

 ▽5月上旬 術後初のフリー打撃登板。

 ▽5月中旬 同初のシート打撃登板。

 ▽5月29日 ウエスタン・中日戦で705日ぶりに実戦登板し1回無失点。「長かったな…というのと、甲子園で投げられたのが良かった」

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2022年6月21日のニュース