千葉大会でブラバン応援復活!習志野・吹奏楽部 3年ぶり球場で「美爆音」響かせる

[ 2022年6月21日 05:30 ]

入学以来初の応援演奏に挑む部員と顧問の海老沢博さん(右)(撮影・柳内 遼平)
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 第104回全国高校野球選手権(8月6日開幕、甲子園)の地方大会は沖縄で開幕し、各地区の組み合わせが続々と決定。球児以外にも最後の夏にかける人々がいる。23日抽選の千葉大会は3年ぶりにブラスバンド応援が復活。「美爆音」で知られる習志野吹奏楽部の3年生は、最初で最後の球場演奏となる。(取材・構成 柳内 遼平)

 スタジアムに「美爆音」が帰ってくる。17日、習志野高校音楽ホールで習志野吹奏楽部の3年生78人が約1時間の演奏に臨んだ。ZOZOマリンで、7月9日に行われる千葉大会開会式で流される「栄冠は君に輝く」「君が代」の収録。出来上がったばかりの音源を確認した同部の顧問・海老沢博さん(43)の「OK!お疲れさまでした」の声で部員に笑顔が広がった。

 「仲間が輝いている姿を見て一生懸命応援することには、楽器を吹いて発表するだけでは得られないモノがある。心の成長にとっても大きい。ゼロからのスタートで一生懸命応援してほしい」。12年から顧問を務め、甲子園を2度経験した海老沢さんは、応援演奏に特別な思いを抱く。だが、その特別な舞台は、コロナ禍によって奪われた。感染対策のため20年大会から球場での演奏が禁止に。今年の3年生は同年入学で、球場での演奏を経験しないまま最終学年を迎えた。

 だが、伝統をつなぐための努力は惜しまなかった。昨年の夏。甲子園演奏を経験していた当時の3年生を中心に、学校内で千葉大会の試合のリアルタイム映像に合わせて演奏して経験を積んだ。今夏、千葉大会は50人の制限付きながら、応援演奏が3年ぶりに復活する予定だ。

 大型金管楽器のチューバを担当し、186人の部員を統括する七海歩夢部長(3年)は、小学生時代は右翼手として白球を追った元野球少年。「野球応援をやりたくて習志野に来た。私以外にもそのために入った部員がたくさんいます」と目を輝かせる。初戦までに「レッツゴー習志野」や「星空のディスタンス」など演奏の完成度を高めていく。

 「自分たちの代で途絶えさせてはいけない。3年生が動いて下の代に教えるレベルまで持っていきたい」と七海部長。この夏、色白の顔はきっと、日焼けした野球少年の顔に戻ることになる。

 ▽コロナ下の高校野球の観客 20年は春夏ともに甲子園大会が中止。21年選抜は有観客で、事前録音された演奏を球場応援に使用した。同年夏は50人以内の制限でブラスバンドによる演奏応援が復活も、大会期間中に兵庫県で緊急事態宣言が発令され、ブラスバンド、チアリーダーの入場ができなくなった。今春選抜では3年ぶりにブラスバンドによる応援演奏が復活した。20年以降、地方大会の関東地区は21年までブラスバンドの応援は禁止されていたが、神奈川、千葉などで今夏から3年ぶりに応援演奏が復活する。

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