エンゼルス・大谷“二刀流勲章”泥だらけ1勝!50センチも曲がるエグ過ぎスライダーで12K

[ 2022年4月22日 02:30 ]

ア・リーグ   エンゼルス6―0アストロズ ( 2022年4月20日    ヒューストン )

<アストロズ・エンゼルス>5回、グリエルから三振を奪い吠える大谷(撮影・光山 貴大)
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 エンゼルスの大谷翔平投手(27)が20日(日本時間21日)、アストロズ戦で6回1安打無失点、自身最長の6者連続を含むメジャー自己最多タイの12奪三振で今季初勝利。曲がり幅50・8センチの横滑りする新魔球スライダーを駆使し、6回1死まで完全投球を展開した。1900年以降では、メジャー史上初の初回登板前に2打席終えてからの投球。打者では2安打2打点し、通算7試合目でア軍戦初白星を挙げた。

 効果音が聞こえそうだった。ググッでもなく、ギューンだ。初回先頭、右打者のペーニャは、カウント1―2から腰が砕け、諦めたようなスイングで空振り。大谷のスライダーは内角ボールゾーンから本塁を通り越し、左打席後方でキャッチャーミットに収まった。

 「とにかくスライダーが素晴らしかった。彼のスライダーの本当の威力に誰も気付いていない。うちの選手はうまく見極められていなかった」

 敵将ダスティ・ベーカー監督が米メディアに語った言葉が、大谷のすさまじさを表した。3回からは日米通じて自身最長の6者連続三振。6回1死まで完全投球だった。宝刀スプリットではなく、スライダーがこの日の武器で大谷は「試合前のプランもあるし、試合をやっていく中で打者の反応を見ながら。相手が何が一番打てないかを考えて投げた」。時には左打者の外角ボールゾーンからストライクになるバックドアでカウントを稼ぎ、右打者にはバットが届かないほど曲がる決め球になった。

 データサイト「ベースボール・サバント」によると、スライダーの最大曲がり幅はホームベースの横幅17インチ(約43・2センチ)を上回る20インチ(50・8センチ)。魔球を軸にメジャー自己最多タイの12三振を奪った。過去2試合で約29%の球種はこの日、81球中35球で最多の43%。ともに19球の直球、スプリットを上回り、空振り率も驚異の73%(15スイングで空振り11)だった。

 前回登板ではスプリット&満塁でのメジャー初被弾など、4回途中6失点で2敗目。「修正は毎週する。特に負けた試合は随所に何が悪かったかが出る」とフォームを微調整した。始動時に胸の位置だったグラブを下げ、腹の前に。右腕をやや“横振り”にした効果で、スライダーが滑るような軌道になった。6回1死、詰まった中前打で完全試合を阻止した元同僚のカストロは「あのコンビネーションは難しい」と脱帽。ベーカー監督も「ノーヒットで終わらなくてよかった…」と敗戦の悔しさよりも、ノーノー阻止に胸をなで下ろした。

 登板前に2打席立ち、泥だらけのユニホームで初回のマウンドに上がって躍動。「メジャーに来てからベストな投球か?」と問われた大谷は「かもしれない。人生一ではない」と笑った。(柳原 直之)

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