マック鈴木氏が見たエンゼルス・大谷の投球 “新武器”の要因は右肘を下げ気味の投げ方

[ 2022年4月22日 02:30 ]

ア・リーグ   エンゼルス6―0アストロズ ( 2022年4月20日    ヒューストン )

マック鈴木氏
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 圧巻の投球を披露した大谷の二刀流スライダー。テレビ中継で解説を務めた元メジャーリーガーのマック鈴木氏(46)は、大きく横滑りするスライダーを自身のかつての同僚で通算303勝の左腕ランディ・ジョンソンの姿に重ねた。

 あれほど横に鋭く、滑るように曲がるスライダーに驚きました。メジャーでも投げる投手は少ないでしょう。1メートル93と身長も高いだけに、体形やフォームから打者は縦の変化をイメージするはず。アストロズ打線は明らかに戸惑っていました。

 僕のマリナーズ時代の同僚であるランディ・ジョンソンの姿を思い出しました。ランディも2メートル8の高身長。直球も100マイル(約161キロ)前後ですが、実はスライダー投手でした。左肘を下げたフォームで大きく横に滑らせる。大谷投手も意識してやっていたのかは分かりませんが、右肘を下げ気味にして投げていました。まさに「右のランディ」。これが、スライダーが大きく曲がった要因の一つだと思います。

 外的要因もありました。僕も現役時代に投げたことがありますが、ヒューストンの球場は湿気があり、ボールが指に掛かりやすい。湿気がある分、空気抵抗も増して変化球も曲がりやすいです。また、ア軍打線は中南米のラテン系の選手が多く、まず直球を打つことを練習してメジャー昇格した彼らは、スライダーが苦手です。

 左打者の外角からストライクゾーンに曲げて入れるスライダーなど、この日は投球の9割が外角。内角に投げる必要がなく、追い込めば大谷投手の勝ちでした。ただ、スライダーの多投は肘など体の負担にもなる。その点は注意が必要です。

 ◇マック 鈴木(本名・鈴木誠=すずき・まこと)1975年(昭50)5月31日生まれ、兵庫県出身の46歳。94年にマリナーズとマイナー契約を結び、96年にメジャーデビュー。ロイヤルズ時代の00年にはシーズン8勝を挙げた。メジャー通算成績は117試合で16勝31敗、防御率5.72。オリックスやメキシコ、台湾など世界各国のリーグでプレー。夫人はお笑いコンビ・クワバタオハラの小原正子。

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2022年4月22日のニュース