阪神・糸井 外野手で開幕スタメン奪還の誓い 昨秋から続ける一塁練習の真意は…

[ 2022年1月29日 05:30 ]

甲子園球場でキャッチボールをする糸井
Photo By 代表撮影

 阪神・糸井嘉男外野手(40)が28日、外野での開幕スタメン奪還を固く誓った。甲子園球場で自主トレを公開し、昨秋から準備を進めてきた一塁について今春も練習継続の考えを明かした一方、意図は一塁手争い参戦にないことを強調。外野手としてのレギュラー返り咲きにつながる“効果”を胸中に秘めた。

 糸井は昨秋から続ける一塁の練習について一塁手争い参戦のためではないことを断言した。「全然違います」。出場機会を探る一手との見方も完全否定し、外野手としてのレギュラー奪還だけを見据えた。

 では、何のための取り組みか。同じ甲子園室内で練習していた原口に視線を向けた。「ヒントは彼。僕の中で意図があるんです。でも、(練習を見るだけでは)分からへんと思う。その意図は」。原口は昨秋から捕手を断念し、内外野での勝負を決意。一塁にも挑戦してきた。外野に比べて前後左右に細かく動き、送球を捕る機会も多い。数多くボールに触れ、距離感も近い。足を動かし、目の反応を磨き、瞬時の判断を養う狙いか。

 昨季77試合のうち先発は15試合、DHを除けば13試合で右翼8、左翼5だった。グラウンドに立つ時間が減ったことも、一塁練習に活路を求める理由だろうか。今春キャンプにも一塁用ミットを持参して独自に練習を継続する。具体的に明かさなかった真意。糸井の中では明確なメソッドが描かれていた。

 「(状態は)99%。もちろん、スタートから出られるように勝負していって、そういうとこ(開幕スタメン)を狙っています。勝負の中に加わっていかないといけないですし、サバイバルだと思っています。チーム内でいい勝負できたら」

 昨季は開幕戦をベンチで迎え、日本ハム時代の08年から継続していた開幕スタメンが13年連続で途切れた。返り咲きは容易ではない。しかも7月で41歳を迎える。

 近本は矢野監督が“唯一のレギュラー”と認めた存在で、2年目の佐藤輝は中軸候補の位置づけ。ロハス・ジュニアもいる。島田、小野寺らの台頭に加え、大山の参戦もある。厳しい争いを控え、今月中旬には佐藤輝を誘ってオリックス・吉田正尚と2年ぶりに自主トレ。「正尚(吉田)は教えるのがうまい。スゴい教えられた。“伸びしろエグいっすね”って言われた」と背中を押された。

 「勝負かけてやっている姿を見せられたら。(2月5日の紅白戦も)出るつもりでやります」。阪神加入からの過去5年で最速実戦は昨年の2月21日(広島との練習試合)。大幅な出陣前倒しも、覚悟した。(長谷川 凡記)

 【糸井と一問一答】

 ――今オフは充実していたか。
 「去年はほんまに膝を治すという一点だけに集中していた。できなかった部分があったと思います。今年もこのオミクロン株で大々的にはできなかったですけど」

 ――巨人・中島とも自主トレし、一塁を練習していた。
 「たまたま、その時は…。ファーストがやりたくてやっているわけじゃないんです」 

 ――打撃フォームも変わった部分がある。
 「使い方は変わっている。日によるけどね。疲れていたら何も考えずに打っているから意味ないけど」

 ――佐藤輝は大学の後輩とはいえ、ライバルでもある。
 「そういうライバルやから…みたいなのは、僕は全然ないです。後輩ってのもあるし、見とって、やっぱりビッグになる男かなと思っている」

 《40代開幕スタメンは過去4人》阪神で40歳の誕生日以降に開幕戦のスタメンを務めたのは49年若林忠志、75年アルトマン、09~12年金本知憲、18~20年福留孝介の4人。投手の若林を除く野手3人は30代から連続シーズンで出場(アルトマンは前所属のロッテから継続)。今回の糸井のように30代で開幕戦スタメン落ちした後、40代で返り咲きを果たせばチームでは初のケースになる。

続きを表示

この記事のフォト

2022年1月29日のニュース