阪神・坂本はキャプテンシーの塊「みんなが同じ方向を向いて」“矢野イズム”体現で日本一まで引っ張る

[ 2021年12月5日 05:30 ]

<阪神ファン感謝デー>新キャプテンに就任した坂本(撮影・大森 寛明)
Photo By スポニチ

 阪神の「ファン感謝デー2021」が4日、甲子園球場内の施設で行われ、来季の新主将に坂本誠志郎捕手(28)が選出された。昨年に続き、新型コロナウイルス感染拡大防止のため球団公式動画配信サービス「虎テレ」でのライブ配信による“オンライン開催”となった同イベント内で選手間投票の結果が発表され、新チームリーダーが誕生した。

 ファン感謝デーのメインイベントが、最後にあった来季の新主将発表。現職の大山、選手会長の近本を差しおいて坂本が選出され、そのままオンライン中継されているファンへ所信表明となった。

 「本当に光栄です。責任が伴いますが、しっかりやりたいと思います。一つの勝ちをみんなで喜んで、一つの負けを悔しがるチームにしていきたいです」

 選手間投票という初の試みで選出された。これまでは首脳陣による指名制だったが、今回は1、2軍全選手による“総選挙”。11月10日の1回目投票で大山、近本、坂本の上位3人に絞られ、この日に最終決戦となった。

 今季は先発18試合。来季もFA権を行使せずに残留した梅野との厳しいポジション争いに身を置く不安定な立場だ。それでも「虎メダル」を考案するなどプレー以外でもチームを盛り上げる姿が、チームメートから支持された理由だろう。履正社、明大、そして大学日本代表でも主将を務めるなどキャプテンシーの塊。矢野監督からも捕手としてだけではなく人間性も評価されており、公約に掲げた「みんなが同じ方向を向いてやりたい」というイズムは、矢野野球の申し子ともいえる。

 「今年、ヤクルトが同じ方向を向いて戦っていると感じていて、良い部分は吸収したい。村上選手は技術も伴っていて、若いですけどチームの顔になろうとしている雰囲気を感じました。見習うべきところだと思う」

 勝率5厘差で優勝と2位が分かれた原因を、坂本なりに分析。勝ったヤクルトにあって敗れた阪神に無かったものは…。「勝っているときは楽しく明るく。でも負けた時でも、言葉は悪いですけど“クソッ”とかがもっとあっていいなと思う。悔しがったり、もっとこうしてやろうというのが出てきたらチームはいい方向に行くんじゃないかなと」

 来季7年目の中堅選手だが、総選挙で初当選する理由がわかる。 (畑野 理之)

続きを表示

2021年12月5日のニュース