熱投144球 創価の2年生エース杉江が劇的勝利を呼ぶ延長12回完投

[ 2021年7月16日 14:43 ]

第103回全国高校野球選手権 西東京3回戦   創価3―2拓大第一 ( 2021年7月16日    市営立川 )

<西東京大会 創価・拓大第一>初回1死、小林夕の打球に飛びついて好捕する杉江(撮影・篠原 岳夫)
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 「うりゃー!」。雄叫びを上げ、創価の2年生エース杉江敏希が延長12回、144球を投げ抜いた。タイブレークも覚悟した2―2の延長12回。杉江の目に飛び込んできたのは劇的なサヨナラのシーンだった。2死一塁から捕手で3番の小松稜平の一打が右翼線を破り、一塁走者・竹内大優が躍り上がってホームへ駆け込んだ。

 2時間37分の激闘の末の初戦突破。「やっと終わった」――。その瞬間はホッと息をついた杉江だったが、しばらくすると「まだ行けるかなと思った」と笑った。1メートル67、70キロと決して体は大きくない。どこにそんなスタミナがあるのか。140キロ台の直球を軸に力で押す投球。2点リードの7回に3安打を集中されて追いつかれると、一気にギアが上がる。同時にマウンドで雄叫びも上げた。

 「気持ちで抑えるしかないと思って。(雄叫びは)いつも出ないけど自然に出た」。その気持ちがボールに乗り移り、8回から12回まで5イニングを打者15人パーフェクト。「苦しい試合は必ずあると言っていた。杉江が魂で投げてくれた。エースらしい投球だった」。片桐哲郎監督もそう言って目を細め、最高気温32度の暑さの中で劇的な勝利を呼び込んだ右腕を称えていた。

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