西武バッテリー、球宴で阪神・輝抑える!交流戦で1試合3発に平良「凄い…」捕手・森「言わんといて~」

[ 2021年7月16日 05:30 ]

記者からの電話取材を通じ対談した平良(左)と森(球団提供)
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 「マイナビオールスターゲーム2021」は16日、メットライフドームで第1戦が行われる。昨年はコロナ禍で史上初の中止となり、2年ぶりの開催。初出場する西武の守護神・平良海馬投手(21)と「3開催連続MVP」を狙う森友哉捕手(25)の最強バッテリーの対談が実現した。39試合連続無失点のプロ野球新記録を樹立した右腕の成長や、知られざるグラウンド外での姿など夢の祭典を前に語り尽くした。(取材・構成 花里 雄太)

 ――お疲れさまです。メジャーの球宴は見ましたか。

 平良(以下平) 朝起きて5回ぐらいから。雄星さんが投げるの見たかったですね。

 森 えっと…。ごめん、見てない。寝てた!日本もいよいよオールスターやね。2年目に初めて出たけど、人見知りやし、年近い人がおらんくて、めっちゃいづらかった。(同僚だった)浅村さんとずっとしゃべってたな。

 平 森さん、緊張してるようには見えないです。

 森 いやいや、毎試合緊張してるわ。なんで緊張しないん?

 平 僕は何も考えていないんで。“無我”です。

 森 初対面もそんな感じやったな。“丸っ”って思ったのは覚えてる。

 平 1軍に上がって、皆さんにあいさつ回って。印象は…自由にしていて1軍っていいなと思いました。

 森 それ、どういう意味?(笑い)その後、食事は行ったっけ?行ったような気もするし…ない気もするなあ。

 平 2、3回誘っていただきましたよ。山川さんもいて、野球の話がメインでしたね。

 森 え、全く覚えてない…。

 平 森さんと山川さんが“俺たちで引っ張っていこう”って。自分も頑張ろうと思いました。

 森 ええこと言うてるやん。そういえばあったかも(笑い)。前半戦、無失点記録凄かったな。最後は、セカンドゴロを打たせるイメージだった。抜けてもそうそう打てるような球じゃなかったし“大丈夫かな”と思ったけど、うまいこと打たれた。やっと肩の荷が下りたなって言ったよな。

 平 あ、抜けたなーって。悔しさはあまり。いつかは終わるものですし。今後の大事な場面で抜けちゃいけないという教訓になりました。

 森 最初にボールを受けた時、これは本当に覚えてる。(19年の)シーズン中。真っすぐは強いけど、まだまだ粗いなと。若くて勢いは感じた。

 平 今年のシーズン前に変化球を増やしたいと話しましたよね。真っすぐがファウルにしかならない。普通に打たれるので、投げる意味があまりないなと。

 森 一昨年は真っすぐ一本で押して去年は真っすぐが軸でちょっと変化球。今年はどのカウントでもいろんな球種を放れる。目指しているところに少しずつ近づいてきている気がする。

 平 これまでは困ったら真っすぐという部分があったけど、今年はなんでもいける。バッターに真っすぐを狙わせないようなピッチングができています。

 森 ロッカー近いけど、試合前、平良はイヤホンつけてゾーンに入ってる。いつも何してるん?

 平 映画とか見ています。リラックスしてますね。

 森 平良はホンマにこのまんまよね。ハッチャけたりしない。よう笑ってるけど。

 平 森さんは、ネックレスとか着けてますけど、テレビで見るより、実際は普通に優しいですよね。

 森 なんやそれ!ところで、オールスターは阪神の佐藤輝とか対戦するかな?

 平 初対戦で、どんなバッターか分からない中でやるのは楽しいですね。(佐藤輝も)どんなバッティングなのかというワクワク感はありました。(5月28日にチームは3被弾)凄いホームランも見られましたし…。

 森 いやー、それ、言わんといて。

 平 (対戦成績は2打席2三振だが)持ち球を駆使して抑えたいですね。

 森 MVP獲ったらどうしよ。前も言ったけど、焼き肉に行けないからメンバーに叙々苑弁当を振る舞おうか。

 平 叙々苑、今井さんと何回か行きました。食べたいです。僕も何か考えます。

 森 平良は侍ジャパンもある。ホンマにケガだけはせんように、圧倒してほしい。テレビでしっかり応援させてもらうわ。

 平 頑張ります!

 ≪互いを引き出すプラスとマイナス≫冗談なのか、天然なのか…。平良がボソッと放つ一言にクスリとさせられ、森も終始ご機嫌だった。見た目も性格も正反対のような2人だが、平良の新記録はプラスとマイナスで成り立つ、まさに「バッテリー」で勝ち取った証なのだろう。

 記録継続中は、登板するたびに取材対応があり平良は「ちょっと多いですよね」とナーバスな時もあった。重圧から解放され、東京五輪でも「平良無双」を見せてくれるだろう。一方の森は19年に・411を誇った得点圏打率が・219にとどまっている点が気がかり。ノリだすと止まらないヤンチャな25歳。手拍子でファンの一体感を生む登場曲「ベビー・シャーク」の復活を期待したい。後半戦の巻き返しへ、あのときの空気が欲しい。(西武担当・花里 雄太)

 ≪平良は日本新、森は復調ムード≫平良は中継ぎから、5月末に抑えに回った。1日のソフトバンク戦で、06年の阪神・藤川球児を抜く39試合連続無失点のプロ野球新記録を樹立。6日の日本ハム戦で記録は途絶えたが、41試合で1勝1敗11セーブ、21ホールド、防御率0・23と圧巻の数字を残した。14日には敏腕代理人のスコット・ボラス氏と契約したことが明らかになった。一方、森も打率・251に終わった昨季の不振から脱却。打率・304、9本塁打、26打点で前半戦を終えた。

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2021年7月16日のニュース