九産大九州の“工藤公康”古川 投打に活躍「自分で打って乗れた」2失点完投&逆転2点適時打

[ 2021年7月16日 05:30 ]

第103回全国高校野球選手権福岡大会3回戦   九産大九州6ー2福岡第一 ( 2021年7月15日    小郡 )

<九産大九州・福岡第一>投打で活躍した九産大九州のエース・古川
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 九産大九州の左腕エース・古川雄大が、7安打を許しながらも要所を締め9回2失点の完投。打っては2回に逆転の2点適時打を放ち勝利に貢献した。

 初回無死一、三塁のピンチを1失点で切り抜けると波に乗った。尻上がりに調子を上げ2回から7回は三塁を踏ませない好投。8回には1死満塁と、この試合最大のピンチ。「みんなが声をかけてくれたし打たせて取ろうと。ここを乗り切ればと思った」。渾身(こんしん)の直球で後続を中飛、右飛に打ち取り左手を突き上げた。

 投手としてお手本にしているのは同じ左腕で、現役時代に西武、ダイエー、巨人などで通算224勝を挙げたソフトバンクの工藤監督。ソフトボールを始めた小学生の頃から動画などで研究してきた。「ゆったりしたフォームから鋭いストレートを投げる」と尊敬する。工藤監督のような柔らかいフォームから投げる真っすぐの球速は、この夏に自己最速の136キロまで上がった。

 打席でもキーマンになった。1点を追う2回、2死満塁のチャンスで「とにかく自分で決めようと、来た球を打った」。9番打者ながら逆転の2点適時打を放ち「気持ちが上がり過ぎて投球が心配だったが、自分で打って乗れた」と笑顔だ。

 この夏を野球人生の集大成と決めている。次戦は優勝候補の九州国際大付。「中1日で疲労もあるしピンチも多いと思うが緩急をつけて粘りたい。自分の持っている力を全部出して勝とうと思っている」と意気込む。森崎哲哉監督も「古川で負けるなら仕方ない」と全幅の信頼を置く。難敵に最高のピッチングで挑み、最後の夏を長くする。(村田 有子)

 ◇古川 雄大(ふるかわ・ゆうた)2004年(平成16)1月13日生まれ、福岡・宇美町出身の17歳。福岡県粕屋郡大川小3年で戸原ジュニアファルコンズでソフトボールを始める。高学年から野球も始め、粕屋東中3年時に県大会準V。九産大九州では2年秋からエース。最速は136キロ。持ち球はカーブ、チェンジアップ、スライダー。左投げ左打ち。1メートル75、72キロ。

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