【大野豊氏―阪神・秋山スペシャル対談(上)】進化の秘密は半歩の違い「思ってもいなかった効果出た」

[ 2021年2月25日 06:00 ]

<阪神キャンプ 対談> 今季も先発の軸になることを誓った秋山(右)と大野豊氏 (撮影・平嶋 理子)                                      
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 阪神の秋山拓巳投手(29)が本紙評論家の大野豊氏(65)とのスペシャル対談で本音をぶっちゃけた。「永遠のテーマ」という140キロ前後の直球の球速アップにこだわりつつも、キレと制球力で勝負するスタイル不変を宣言。球速を上げる取り組みでの“副産物”も明かした。年々磨いてきた投球術で相手打者を手玉に取ることも目指し、14年秋季キャンプで臨時コーチとして指導を受けた大野氏から成長ぶりに太鼓判を押された。(取材、構成=山添 晴治)

 大野 キャンプも終盤だけど何か新しく取り組んでいるの?

 秋山 やっぱりこの体の割にスピードが出ないので…。昨季が終わってから福原投手コーチと話して(踏み込む左足の)歩幅が去年6歩だったのを6歩半に伸ばせるように頑張ろうかと。オフは歩幅を伸ばすための可動域を出すトレーニングやストレッチを重点的にやってきました。

 大野 手応えは?

 秋山 結果、スピードは去年と変わっていないんです。でも、その分、体重移動の時間がしっかりつくれて。

 大野 間が取れるということだね。

 秋山 そうです。間が取れて、低めに制球できるようになったのを今はすごく感じているんです。思ってもいなかった効果が出ていますね。

 大野 半歩伸ばす意図はやはりスピード? それとも角度? 低めに投げきること?

 秋山 最初はスピードを求めてです。でも、結果的に低めに制球できているし、スピードを求めつつ低めにいっているので。結果オーライではないんですけど、去年以上にコントロールできているし、トレーニングの効果で腕も振れている。スピードガン以上のキレも感じていますし、だいぶスピード以外の効果が出ています。

 大野 これは余談だけど、オフにも“スピードが芸人より遅い”【※1】とかイジられていたね(笑い)。俺も臨時コーチをして君といろいろ話した時、150キロを投げたいという投球をずっとやっていて、なかなか投げられなかった。その中で力みや気負いも感じられたけど、去年の投球スタイルを見ると“スピードだけじゃないよ”と。球のキレ、制球力。それが非常に身についたと思う。そのスタイルで今年も頑張る、じゃなく、やっぱりどこかでスピードにはこだわりがあるんだ。

 秋山 そうですね。永遠のテーマ、課題というか。でも、原則、今のスタイルの中で、というのはあります。そこは崩さずに、もっと何かきっかけをつかめるアクションを起こしたいなとはずっと考えています。

 大野 スピードアップを求めるのも必要だろうけど、それによって自分の投球リズム、バランスが崩れることはないようにね。“投手はストレート中心で変化球”というイメージがあるけど、スピードじゃないからね、秋山君。君の場合はボールのキレ、コントロールだから。ストレートを今の形で投げつつ、変化球を投げ分ける投球。それは今年を通して頑張ってほしい。

 秋山 はい。その中で打者に考えてもらったり、後悔してもらうというか。心に残ってもらうような球を増やしたいなと。

 大野 “秋山がこういう球を投げたら嫌だな”ってこと?

 秋山 というより、“今の球、いけば良かった。甘かったのに”という投球スタイルをやれたらなと。

 大野 おおっー、成長したねえ。今年4月で30歳か。20代も終わっちゃうね(笑い)。その中でさらに殻を破って成長してほしい。

 【※1】お笑いコンビ「ティモンディ」の高岸宏行が昨年10月4日のヤクルト―広島(神宮)で始球式に登場し、138キロを計測。同日の巨人戦(甲子園)に先発した秋山の第1投は135キロで、今年1月下旬に放送されたテレビ番組の中で「ショックでした」と悔しがった。2人は同郷の“ライバル”で、秋山が西条3年、高岸が済美2年だった09年夏の愛媛大会決勝で対戦し、西条が勝利。

 ※スペシャル対談(下)に続く。

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