【大野豊氏―阪神・秋山スペシャル対談(下)】目指すは“金曜日登板”「この1年頑張ってからと」

[ 2021年2月25日 06:01 ]

<阪神キャンプ 対談> 大野豊氏(左)と対談する秋山 (撮影・平嶋 理子)                                  
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 大野 23日のDeNA戦は3回1安打。ナイスピッチングと言っていいのかな?

 秋山 そうですね。低めにしっかり制球できていたんで、全体的には良かったと。

 大野 牧に打たれたのはカーブだね。

 秋山 そうです。ルーキーだったんで、どういう打者なのかなというのはあったんですけど、うまくカーブを打たれました。

 大野 前回(16日楽天戦)と比べても良かったと思う。どんな課題を持っていたの?

 秋山 右打者のインコースと、フォークも、この第5クールから投げ始めていたのでフォークの使い方。この2つがテーマだったんですけど、フォークも、しっかり使えたし、もう少し右打者が多ければ、いろいろやりたかったんですけど。

 大野 他の変化球はどんな感じかな。カットボールの動きを小さくしようとしているとは聞いたけど。

 秋山 どうしても曲げようという気持ちが強かった分、ボールをだいぶ深く握って投げていたんです。深く握った分、緩くなってコントロールもできていなかった。今はなるべく真っすぐに近い感覚でというのをテーマにして、左にも右にもしっかり制球できるように、浅い握りでやっています。

 大野 そのボールで少し芯をずらすとか、詰まらせようという意図かな。

 秋山 はい。僕はどんどんゾーンに投げ込んでいくんで、その中でなるべく真っすぐに近い軌道で勝負したかったんです。去年も一応カットボールは投げていたけど、緩んでいる分、真っすぐとは違う球速帯になっていたので。真っすぐに近くなれれば、打者もフェアゾーンに入れてくれると思うので。

 大野 他にも球種はたくさん持っているけど、手応えは。

 秋山 去年カーブもだいぶ投球割合が増えてきた中で、どのカウントでも使えるなという手応えがあって。今年はカーブの精度というか投げ分け、ストライクを投げるのか、ボールにして空振りを取りにいくのかという投げ分けをやっているんですけど。どのカウントでも自信を持って選択できているんで、今のところは順調かなと思います。

 大野 去年は11勝を挙げた。その数字をどう捉えている。

 秋山 西勇さんという絶対的なエースがいて、僕は去年は日曜日の登板が多かった。どちらかというと、日曜日は他球団もちょっと先発投手の力が落ちるのかなというところだったんで。その分、しっかり勝たないといけないというプレッシャーはありましたけど、本当に打線の援護に助けられてしっかり勝ちを付けることができたんで。自分の力での11勝とは全く思っていないですかね。

 大野 でも11勝した中で負けが3つ。負けない投球ができたのは大きいと思うけど。

 秋山 3敗のうち2敗が中日なんですけど、その2敗の試合の投球内容が一番良かったんですよ。打線とか相手投手との兼ね合いもありますけど、そういうのも含めて全体を見ながら投球できればと思います。

 大野 野手陣とすれば、秋山がしっかり投げているから何とか勝たせてやろうと。そういう気持ちで戦った試合もあると思うよ。ちょっと振り返ると、17年にも12勝。ただ、その後、18、19年は5、4勝止まり。これはどう受け止めている。

 秋山 17年に2桁勝って、18年を迎える前に“同じじゃダメだな”というのがすごくあって。自分のスタイルを崩しにいっていたというのが一つの反省点です。なので、今年はスピード、スピードというのをずっと言っていますけど、ある程度の形はできていると思うので、その中でもう一回頑張りたいなと思っています。

 大野 今年は日曜日じゃなく、金曜日に投げるような狙いは?

 秋山 カード頭に投げたい気持ちはすごくあります。

 大野 火曜日か金曜日と言えば、やっぱり金曜日でしょ。

 秋山 まだそれに値していないという気持ちの方が強いですかね。この1年頑張ってからと思っています。世代的にも僕たちがやらないといけないんで。同級生が多い中で【※2】先発は僕だけなんで、引っ張らないといけない気持ちはすごく持っています。今まで以上に“自分が良ければいい”というのは持っていないですし、そういう状況で、自分の中でどういう変化が出てくるのかという楽しみはもちろん、持っています。

 大野 そうだね。去年以上にそうやってくれれば。イニング数はどれぐらい投げたい?

 秋山 規定投球回は最低限として180に近づけたいというのはあります。ただ、ウチはすごく頼りになる中継ぎ陣がいるので。1個でも多くのアウトというのは持っていますけど、チームの勝ちの方が大事なんで難しいところですね。

 大野 最低目標として2桁ももちろんだけど、180回は投げたいと。それをすれば結果も付いてくると。

 秋山 180回投げられたら、すごくチームの力になっているんじゃないかなと思います。今年も2桁勝って、優勝したいです!

【※2】チーム内での同学年は岩崎、岩貞、加治屋、梅野、原口、陽川。

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