NTT東日本 ルーキー・火ノ浦「4番目の打者として気楽に」 公式戦初4番で2安打2打点

[ 2020年11月28日 05:30 ]

第91回都市対抗野球大会1回戦   NTT東日本6-1JR北海道硬式野球クラブ ( 2020年11月27日    東京D )

<NTT東日本・JR北海道硬式野球クラブ>4回2死二塁、NTT東日本・火ノ浦は中前適時打(撮影・小海途 良幹)
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 1回戦2試合と2回戦1試合が行われた。1回戦では、3年ぶりの優勝を目指すNTT東日本(東京都)がJR北海道硬式野球クラブ(札幌市)に6―1で快勝。新人の火ノ浦(ひのうら)明正外野手(23)が2安打2打点で公式戦初4番の大役を果たした。ヤマハ(浜松市)も日立製作所(日立市)に9―0で快勝。2回戦ではセガサミー(東京都)が三菱自動車倉敷オーシャンズ(倉敷市)を4―2で下し、8強に一番乗りした。

 23歳のルーキーが初めての東京ドームで躍動した。公式戦で初めて4番に座った火ノ浦が2安打2打点。初戦突破に貢献し「新人なので怖いモノ知らずで。重い物を背負わず、4番目の打者として気楽にいけました」と笑顔で胸を張った。

 まずは4回2死二塁から2球続いたカーブを捉え、先制打を中前に運んだ。一挙4点を挙げた6回にも2本目の適時打。1死一、三塁から一塁へのボテボテのゴロで50メートル6秒ジャストの俊足を生かし、一塁を駆け抜けた。

 10月中旬の東京都代表決定戦では2番で起用されたが、飯塚智弘監督は左の長距離砲としてポテンシャルを見抜いていた。「元々能力はあったけど、予想以上に成長している」。同月末のオープン戦から4番に抜てき。そして大舞台でいきなり結果を残したが、指揮官は「不細工に自分の仕事はできたけど、まだまだ。満足せずにやってほしい」と、さらなる成長を促した。

 専大では4番を務め、東都2部リーグで通算10本塁打を放った。だが、プロ志望届を提出した昨年10月17日のドラフト会議で名前が呼ばれることはなかった。込み上げる悔しさ。失意の火ノ浦を救ったのは社会人の名門だった。「自分はどこも行くところがなかったのに…。拾ってくれた(飯塚)監督のため、やろうという気持ちは強い」。今年唯一となった社会人の全国大会で来年のドラフトへのアピールにもなった。

 昨年の4強全てが1回戦で敗れた波乱の都市対抗。17年覇者のNTT東日本は西武にドラフト2位で指名された左腕の佐々木を温存し、5投手の継投で逃げ切った。頼りになる4番がいるから、強い戦い方ができる。(伊藤 幸男)

 ◆火ノ浦 明正(ひのうら・あきまさ)1997年(平9)5月26日生まれ、鹿児島県出身の23歳。小1からソフトボールを始め、高尾野中では軟式野球部に所属。れいめいでは1年夏からレギュラーに定着したが、甲子園経験なし。専大では1年春から公式戦出場。昨年、プロ志望届を提出もドラフト指名漏れ。入社1年目。1メートル80、85キロ。右投げ左打ち。

 ○…「火ノ浦」は極めて珍しい名字。複数の名字検索サイトで9万位以下にランクされ、全国でも10人程度しかいないという。NTT東日本の火ノ浦と同様、鹿児島県に多いとされる。同じ読みで「火之浦」は50人程度いるという。

 ▼JR北海道硬式野球クラブ・南則文監督 早めの継投はプラン通り。連打を止められなかったが6回は不運な打球もあった。(登板した6投手にとって)東京ドームでプレーした経験は大きい。

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