ヤマハ、投打かみ合い2年連続初戦突破 15安打9点&4投手で完封リレー

[ 2020年11月28日 05:30 ]

第91回都市対抗野球大会1回戦   ヤマハ9-0日立製作所 ( 2020年11月27日    東京D )

<ヤマハ・日立製作所>5回2死一、三塁、左中間3ランを放つヤマハ・笠松(撮影・小海途 良幹)
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 第91回都市対抗野球大会1回戦で15安打と打線が爆発したヤマハが日立製作所(日立市)に投打で圧倒し、2年連続の初戦突破を飾った。入社3年目で本大会初スタメンの7番・笠松悠哉三塁手(25)が、左中間にダメ押し3ラン。4投手の完封リレーを強力援護した。ナインは30日、2回戦でNTT東京(東京都)と対戦する。

  ついに目覚めた。入社当時から大砲として期待されてきた笠松のバットが火を吹いた。6点リードの5回2死一、三塁。初球の外角直球を迷わずフルスイングすると、打球は左中間スタンドに飛び込む特大のダメ押し3ランだ。

 「感触は良かったんですが、どこに飛んだかわからなくて必死に走りました。みんなが打って先に点を取ってくれて、安心して打席に入れました。自分のスイングがこの舞台でできて良かったです」

 東京ドーム初安打初アーチに続き、最終打席でも左前打を記録した。一発だけでは終わらないところに意味がある。「打ちに行けているから抜けていく」と喜びを示した。本大会直前最後の公式戦となった第68回伊勢・松阪大会で、久しぶりに三塁手として出場。課題だった守備の送球に不安が消え、打撃に集中できるようになったことが大きい。ENEOSと大阪ガスとの強豪相手にそれぞれ一発を放つなど、11打数6安打3打点と猛アピール。「伊勢から調子良かったので思い切り使いました」と室田信正監督(46)の心を突き動かし、見事期待に応えた。

 大阪桐蔭時代の2年時には甲子園で3本塁打を放ち、阪神の藤浪らとともに春夏連覇を達成した。立大4年時は長嶋茂雄・巨人軍終身名誉監督同様、背番号3を付け、全日本大学選手権で日本一も経験。輝かしい実績を引っ提げてヤマハ入りし背番号も運良く3が空いていた。しかし、昨季までの2年間は思うような結果を残せずじまい。会社として最多1万2000人を動員した昨年都市対抗はベンチすら入れず、スタンド観戦。3年目の今季は背番号が3から33と重くなった。

 「スタンドから見る景色は、凄い応援の中でうらやましかった。背番号もこだわりがあったので、取り返したい気持ちがあったのは事実です」

 屈辱心をバネに見事うっぷんを晴らし、何よりも大舞台の強さを実証した。次戦もシンプルにフルスイングして勝ちを引き寄せる。(小澤 秀人)

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