広島ドラ1のトヨタ自動車・栗林、13Kも一発に泣く「自分の力不足」

[ 2020年11月23日 05:30 ]

都市対抗野球1回戦   トヨタ自動車0-2セガサミー ( 2020年11月22日    東京ドーム )

都市対抗<セガサミー・トヨタ自動車>トヨタ自動車先発・栗林(撮影・村上 大輔)
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 広島からドラフト1位指名されたトヨタ自動車・栗林良吏投手(24)が22日、東京ドームで開幕した第91回都市対抗野球1回戦・セガサミー戦に先発。7回を投げ6者連続を含む13奪三振の力投も2回に許した2ランが決勝点となり初戦敗退した。昨年の準優勝の悔しさを糧に「社会人日本一」でのプロ入りを目指したが、かなわず。悲願の日本一は広島で実現する。 

 13奪三振と強烈な印象を残して、栗林の社会人野球は幕を閉じた。「三振を狙っていたわけではない。勝てていたらうれしかったけど…」。勝敗を分けたのは、たった1球だった。

 2回1死一塁。1ボールから外角を狙った8番・北阪への直球が内角高めに浮いた。タイミング良く強振された打球は右翼席上段まで運ばれる先制2ラン。「しっかり投げ切ろうとしたけど、立ち上がりで力が入った。自分の力不足」。最後まで味方の援護はなく、唯一の失投が決勝点につながった。

 「今年も自分のせいで負けた」

 昨年のJFE東日本との決勝戦。先発を任されたが2ランを浴び3回で降板した。被弾したのは今年同様「2回の8番打者」だった。「三振ゼロでもいいので、本塁打ゼロが良かった」。社会人2年間で1球の怖さを最後に痛感した。

 それでも、社会人No・1右腕の実力は示した。被弾して以降、許した安打は5回1死からの二塁打の1本だけ。次打者から6者連続三振を奪う「6倍返し」でチームを鼓舞した。最速150キロの直球を内外角に投げ分け、勝負球のフォークでは8個の三振を数えた。「東京ドームでカットボール、カーブは危ないな…と思った。フォークが一番良かった。社会人に入ってからフォークに自信を持って投げてきました」。大学までの勝負球はスライダー。社会人で新たな武器を身に付けた。

 優勝候補に挙げられながら初戦敗退となった。「都市対抗で優勝するためにやってきた一年だった。今年も一発に泣いたように制球が課題。コントロールは、引退するまで磨き続けないといけない。ファンの方々に“栗林は成長したな”と思ってもらえるように頑張ります」。日本一への夢は終わることなく、舞台を広島に移す。(河合 洋介)

 ▼トヨタ自動車・藤原航平監督(栗林について)球自体は悪くないと思って見ていた。(序盤は)アジャストされたけど、高めに強い球を投げるのも持ち味。いい球がいっているなと思った。

 ◆栗林 良吏(くりばやし・りょうじ)1996年(平8)7月9日生まれ、愛知県愛西市出身の24歳。勝幡小2年から勝幡ドラゴンズで野球を始める。佐織中では藤華クラブでプレー。愛知黎明では1年夏から内野手のレギュラーで2年秋から本格的に投手を始める。甲子園出場なし。名城大では1年春からリーグ戦に登板し通算32勝。トヨタ自動車では1年目から公式戦登板。1メートル78、83キロ。右投げ右打ち。

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