西武 FA権行使視野の“守護神”増田に4年12億円提示 残留へ最大限の誠意

[ 2020年11月23日 05:30 ]

FA権の行使も視野に入れている西武の増田
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 西武が、今季は33セーブでタイトルを獲得し、今年7月に取得した国内フリーエージェント(FA)権の行使も視野に入れている増田達至投手(32)の引き留めに、4年総額12億円の大型契約を提示していることが22日、分かった。締結すれば球団の日本人投手では最長となる。最大限の誠意を示し、守護神の流出を阻止する。

 来季に2年ぶりに覇権を奪還するため、まずは守護神の流出阻止に全力を尽くす。球団関係者の話を総合すると、コロナ禍で大幅な減収となる中でも守護神で投手陣のまとめ役でもある右腕に対し、4年総額12億円の大型契約を提示していることが判明。契約満了となる24年シーズン終了時は36歳。文字通り「生涯ライオンズ」ともいえる破格の条件だ。

 02年5月に台湾から移籍した張誌家の10年、主砲・中村の4年契約の例はあるが、締結すれば日本人投手としては球団史上で最長契約。今年、球団最多だった豊田清1軍投手コーチを抜いて通算136セーブまで更新している右腕にとっては名球会入りの条件となる通算250セーブ到達も視野に入ってくる。

 増田は昨オフ、球団側から複数年契約を提示されたが「一年一年、勝負がしたい」と固辞。年俸1億9000万円で1年契約を結んだ。今季、チームは目標としていたリーグ3連覇を逃して3位に沈んだものの、33セーブを挙げて自身初となる最多セーブのタイトルを獲得。平良、森脇らの若手が多い救援陣を引っ張り、5勝負けなし、防御率2・02と抜群の安定感を誇った。

 増田についてはシーズン前から水面下で複数球団が調査を行っているとみられる。この日、カーミニークフィールドでの秋季練習を打ち上げた右腕は自身の去就について「考えて、タイミングが来れば話します。発表します」と慎重な姿勢。「ある程度、方向性が出ているのか?」との問いには「タイミングが来れば」とだけ語った。球団が示した最大限の誠意。決断の時は、刻一刻と迫っている。

 ◆増田 達至(ますだ・たつし)1988年(昭63)4月23日生まれ、兵庫県出身の32歳。柳学園、福井工大、NTT西日本を経て12年ドラフト1位で西武入団。15年にリーグ最多40ホールド(2勝)で最優秀中継ぎ投手を受賞。16年途中から抑えに定着。今季は自己最多の33セーブを挙げ、最多セーブ投手のタイトルを獲得。1メートル80、88キロ。右投げ右打ち。

 ▽西武の過去の長期契約 外国人選手を除き、球団初の複数年契約は97年オフの伊東勤。FA資格を再取得した伊東は宣言残留で合意し、3年契約を結んだ。生え抜き最長は13年オフの中村剛也で11年オフに結んだ3年契約を抜き、年俸変動制の4年契約で合意。投手では11年オフに国内FA権を行使した帆足和幸に対し4年契約を提示も合意に至らずソフトバンクに移籍。昨オフにFA宣言した十亀剣は、3年契約を結び残留となった。また外国人選手では02年5月に台湾から移籍した張誌家が異例の10年契約。しかし成績不振で06年に契約期間を満了せずに退団した。

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