監督は元カープ セガサミー 昨年準Vトヨタ自動車撃破 8番・北阪が広島ドラ1から大会1号V弾

[ 2020年11月23日 05:30 ]

第91回都市対抗野球 第1日1回戦   セガサミー2―0トヨタ自動車 ( 2020年11月22日    東京D )

<セガサミー・トヨタ自動車>2回1死一塁、北阪が先制2ランを放つ(撮影・村上 大輔)
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 第91回都市対抗野球が22日に開幕し、1回戦2試合が行われた。2年ぶりに出場したセガサミー(東京都)は昨年準優勝のトヨタ自動車(豊田市)を2―0で撃破。8番の北阪真規内野手(25)が2回に広島からドラフト1位で指名された栗林良吏投手(24)から大会1号で決勝となる先制2ランを放った。元広島で今季就任した西田真二監督(60)は初陣を白星で飾った。

 好投手の失投を一振りで仕留める。北阪は1ボールから高めに浮いた143キロ直球を強振すると、打球は東京ドームの右翼席上段に達した。今大会1号となる決勝2ラン。それも広島からドラフト1位で指名された栗林から打ち、入社3年目の左打者は声を弾ませた。

 「試合前に凄い投手と聞いていたし、真っすぐが強いイメージ。でも1打席目からしっかりスイングしようと思っていた。うれしい」。初回に1死一、三塁の先制機を築きながら、4、5番が連続三振。だが、セガサミーには「恐怖の8番」がいる。北阪の集中力もMAXに達していた。

 試合前、先発メンバーを見ると「8番・三塁」。先月の東京都代表決定戦では3番だっただけに屈辱の降格だった。「オーダーを見て悔しかった」。ただ、西田真二監督の意図は「下位にも核をつくりたかった」。北阪はトヨタ自動車との対戦が決まった直後から、栗林対策として打撃マシンで150キロを超える直球を打ち込んできた。打順降格でさらに燃える材料がそろった。「試合の中でその気持ちをぶつけられた」。直球を狙い打ちし、鬱憤(うっぷん)晴らしの決勝弾となった。

 広島時代に勝負強い打撃が光った指揮官は言う。「北阪は私と同じ和歌山出身だから同じにおいがしてね。ヤマを張って打てるんだ。失投を一発で仕留めたね」。3投手を繰り出しての完封リレーには「開幕戦で昨年度チャンピオン(JFE東日本)が負けた。(昨年準優勝のトヨタ自動車を相手に)もしかしてウチも続けるかと思ったけど、そうなった」としてやったりだ。

 今大会の優勝候補を下したが、喜びはここまで。社会人No・1を懸けた戦いは始まったばかりだ。「我々は挑戦者。一戦必勝の積み重ねでいきます。あえて“優勝”という言葉は使いません」。西田監督の言葉に、北阪も「まだ試合は続きます」と気を引き締めた。 (伊藤 幸男)

 《昨夏投手再転向 草海6回途中0封》先発した草海(くさがい)が5回2/3を3安打無失点と好投した。「打者一人一人に強い球を投げようと思った」。22歳の右腕は栗林との投げ合いで得点を許さず、3投手で完封リレーを果たした。上田西(長野)ではエースで甲子園に出場したが、社会人では俊足好打を買われて遊撃手に転向。それでも、入社3年目の昨夏に「チームに役立つため」と投手を再志願し、大黒柱に成長した。

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