牛島和彦氏 ソフトB・千賀の「お化けフォーク」 抜群の腕の振りが急激な落差生む

[ 2020年11月5日 05:30 ]

パ・リーグ   ソフトバンク2-0ロッテ ( 2020年11月4日    ZOZOマリン )

<ロ・ソ>千賀の宝刀・フォーク (撮影・西川祐介)
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 【牛島和彦 視点】フォークを投げる際に最も大切なのは、フォームで腕が緩まないようにすること。ボールを2本の指で挟む不安定な握りのため、全力で腕を振るのが難しい。同時にコントロールするのも困難だ。しかし直球と同等か、それ以上に腕を振らなければ落ちも少なくなり、打者に見極められてしまう。千賀はこの腕の振りが抜群に速い。

 真上から投げ下ろし、投球に角度がついているのも千賀の特長の一つだ。野茂英雄や佐々木主浩、村田兆治さんら、フォークを武器にしていた投手は上から投げ下ろすタイプが多い。千賀は特に落差が大きいために「ボールからボール」「ストライクからストライク」に変化するケースが少ない。「ストライクからボール」に落ちていくために打者が思わず振ってしまう。それが奪三振の多さにつながっている。

 私自身は現役時代、千賀ほど大きくフォークが落ちなかった。直球も140キロ台前半だったために、カーブなどの遅い球を交えて緩急差で直球を速く見せることに腐心した。フォークを生かすためには直球とのコンビネーションが大事。千賀は直球が150キロ台後半で、フォークを生かすための条件は誰よりもそろっている。

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2020年11月5日のニュース