日本ハム6位、JFE東日本・今川 「選手兼ファンクラブ会員」で日本ハム愛を貫く

[ 2020年11月5日 05:30 ]

来年もファンクラブ会員継続を宣言し、来年のファンクラブ会員証とクッション、リュックサックを身につけて笑顔を見せる日本ハムのドラフト6位のJFE東日本・今川
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 日本ハムを愛しています――。日本ハムからドラフト6位指名されたJFE東日本の今川優馬外野手(23)が4日、千葉市内の同社で大渕隆スカウト部長(50)、高橋憲幸スカウト(49)から指名あいさつを受けた。現在入会中のファンクラブ会員の継続を熱望。来季は年会費3600円(税込み)を支払う「選手兼ファンクラブ会員」としてプレーすることを宣言した。

 「常識を疑え」が信条の今川らしい決断だった。前代未聞の選手兼ファンクラブ会員。「許されるのであれば継続したい。新しい形もありかな。ファンあってのプロ野球。ファンサービスは大事にしたい」。トレードマークの飛び切りの笑顔でファンサービス第一を宣言した。

 札幌市出身で、小5からファンクラブに入会して今年で14年目。多い時は札幌ドームに年間20~30試合観戦に訪れるほどの大ファンだ。東海大北海道時代はプロ志望届を提出するも指名漏れ。JFE東日本で持ち味の打力に磨きをかけ、憧れのチームから指名を受けると号泣して喜んだ。木田投手コーチと親交があるタレント・明石家さんまが「名誉師匠」の肩書で18年から入会した特例はあるが、選手が入団後も継続するのは超異例だ。

 幼少期に札幌ドームで観戦した試合で印象に残っているのが、07年9月26日にダルビッシュ(現カブス)が楽天・田中(ヤンキースからFA)と投げ合った一戦。最後は坪井(現DeNA打撃コーチ)がサヨナラ打を放って2―1で勝利した試合を内野席から観戦しており「プロ野球選手になることをずっと目標にしてきた」と明かした。憧れの選手は自身と同じくフルスイングが代名詞の小笠原(現ヘッドコーチ兼打撃コーチ)とスター性が魅力だった新庄だ。くしくも小笠原ヘッドが在籍する中での入団に「打撃を聞きたい」と目を輝かせた。

 現在の目標は前年覇者として臨む都市対抗野球(22日開幕、東京ドーム、スポニチ後援)の連覇とMVPにあたる橋戸賞獲得だ。「連覇をすることが会社に対しての最大の恩返し。去年若獅子賞を頂いて、今年は橋戸賞を獲れれば結果的にチームにも貢献できる」。今川を担当した高橋スカウトも95年の都市対抗で日本石油(現JX―ENEOS)を優勝に導き、橋戸賞を獲得した実績を持つ。その先輩左腕も「長打だけでなく、守備力、脚力もアグレッシブなプレースタイルを評価した」と期待した。連覇を置き土産に、誰よりもファンの心を知る今川が、ファンを喜ばせるプレーを届ける。(東尾 洋樹)

 ◆今川 優馬(いまがわ・ゆうま)1997年(平9)1月25日生まれ、札幌市出身の23歳。札幌南小3年で野球を始め、山鼻イーグルスでプレー。東海大四3年夏に甲子園出場。初戦の2回戦で石川直也(現日本ハム)擁する山形中央と対戦。今川は代打で石川直から左前打を放つも、チームは延長10回の末、0―2で敗退した。東海大北海道3年時に全日本大学選手権4強。4年時には米国マイアミでアマチュアホームランダービーに参加。大学4年時の18年ドラフトは指名漏れとなり、JFE東日本に入社。昨年の都市対抗では5試合で打率・381、1本塁打の活躍を見せて新人賞にあたる若獅子賞を受賞し、チームの初優勝に貢献した。JFE東日本で背負う背番号24は、12年に大リーグで45年ぶりの3冠王を獲得したタイガースのミゲル・カブレラに影響を受けたもの。1メートル77、87キロ。右投げ右打ち。

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