広島・松山「ここ1カ月ぐらいチャンスにクソ弱かったんで」“打ち直し”サヨナラ打は「腹くくった」

[ 2020年11月5日 22:10 ]

セ・リーグ   広島5―4巨人 ( 2020年11月5日    マツダ )

<広・巨>10回1死一、二塁、サヨナラ打を放った松山(右)を祝福する佐々岡監督 (撮影・奥 調)
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 広島の松山竜平外野手(35)が巨人との今季最終戦(マツダ)で自身3度目のサヨナラ打。チームに昨年7月の9連勝以来となる7連勝(2分けを挟む)をもたらした。広島は引き分けでも5年ぶりのシーズン負け越しが決まる大事な一戦で劇的勝利。最大13あった借金を3に減らし、残り3戦で勝率5割フィニッシュに挑戦する。

 広島は4―4で迎えた延長10回、7番手右腕・ケムナが無失点に抑えて負けがなくなったその裏、この回から登板した巨人6番手左腕・田口の初球を長野が右前打。続く田中広が1ボールからの2球目をバント失敗の投飛とするも併殺を狙った田口が一塁へ悪送球し、鈴木誠は申告敬遠されて1死一、二塁となった。ここで西川が右前打を放ち、長野の代走に出ていた二走・曽根が一気に本塁生還。広島のサヨナラ勝ちと思われたが、本塁でのクロスプレーに巨人・原監督がリクエスト。審判団によるリプレー検証の結果、判定は覆ってアウトとなり、西川のプロ初サヨナラ打は幻となった。だが、続く会沢が申告敬遠された2死満塁で松山が中前適時打を放ち、今季2度目のサヨナラ勝ちとなった。

 試合後、プロ初勝利となったケムナとともにお立ち台に上がった松山は、インタビュアーからの祝福の呼びかけにも恥ずかしそうに「ありがとうございます…」と小さな声で発して苦笑い。「正直(リプレー検証の結果が)セーフになってくれって思ってたんですけど…」と話してスタンドの笑いを誘った後で「全然打ってなかったんで。でも、(前打者の会沢が)申告敬遠されたんで、その時は腹くくりました」とキッパリ。大拍手を浴びた後で「感触はそんな良くなかったんで。いいところに落ちてくれたなと思います」とはにかみ、再び大きな拍手を受けた。

 2回の第1打席では1死三塁から先制の中犠飛。この日は「6番・一塁」に入ったが、何度も4番を務めたことがある勝負強さがこの日も光った。それでも「いや、もうホント…ここ1カ月ぐらいチャンスにクソ弱かったんで」と松山。「きょうは最初に犠牲フライ打って最後にサヨナラヒット打てて、本当に最高です」と控えめに喜んだ。

 松山のサヨナラ打は2018年9月23日のDeNA戦(マツダ)で9回に三嶋から放って以来2年ぶりとなる自身3度目。チームは今季2度目のサヨナラ勝ちで7連勝を飾った。勝率5割フィニッシュのかかる残り3試合へ向け「もっと早く僕が打って7連勝とかできたら良かったんですけど。でも、来季に向けてすごくいい戦いができていると思うんで、残り3試合全部勝ってしっかりと来季につなげたいと思います」と松山。「残り3試合、若い選手とベテランの選手が一丸となって3つとも勝てるように頑張っていきたいと思ってます。残り3試合も熱い声援をよろしくお願いします!」と鯉党にメッセージを送り、盛大な拍手に人懐っこいスマイルを振りまいていた。

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