広島・遠藤 巨人戦完投の裏に広輔からの助言 厳しい佐々岡監督も“遠回し”に賛辞

[ 2020年11月5日 05:30 ]

セ・リーグ   広島5-1巨人 ( 2020年11月4日    マツダスタジアム )

<広・巨23>1失点完投勝利を挙げガッツポーズの遠藤 (撮影・奥 調)
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 1年間踏ん張り続けたかいがあった。広島・遠藤の125球には今季の成長が詰まっていた。高卒3年目での初完封を目指した9回は1死三塁から岡本の二ゴロで失点し、「(完封を意識)しちゃいました」と苦笑い。巨人からの同一シーズン2度の完投勝利は球団では09年大竹以来で、「優勝したチームから完投できてうれしい」と喜んだ。

 四球は初回先頭に与えた一つのみ。苦しみ続けた制球難をようやく克服した。「浮いていた部分をいままでなら修正できなかった。そこを踏ん張らないといけないと思って投げた」。分岐点は、10月21日の阪神戦。初回に2失点すると田中広から「自分のタイミングで投げろ。思い切っていけ」と助言された。上体が突っ込んでいると解釈。次回登板から2連勝で5勝目を挙げ、チームに今季初の6連勝を呼んだ。

 開幕から先発ローテーションを一度も外れていないのは九里と2人だけ。今回が最終登板の可能性もあり、普段手厳しい佐々岡監督には「新人が入ってきたら、また競争になる。(ローテを)守ったというより与えてもらったという感じだけど、今日は良かった」と遠回しに褒められた。「来季につなげられるように。この経験を無駄にしたくない」。向けられ続けた期待に応え、来季飛躍を予感させる快投だった。 (河合 洋介)

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2020年11月5日のニュース