ソフトB・千賀 野茂超えパ最速通算1000K 「出来過ぎ」8回9K零封で3冠も見えた

[ 2020年11月5日 05:30 ]

パ・リーグ   ソフトバンク2-0ロッテ ( 2020年11月4日    ZOZOマリン )

<ロ・ソ>3回2死、荻野貴を三振にし、通算1000奪三振を達成した千賀(撮影・西川祐介)
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 ソフトバンクの千賀滉大投手(27)が4日、ロッテ戦に先発し、8回2安打無失点、9三振を奪う力投で11勝目を挙げた。3回に3個目の三振を奪い、通算1000奪三振を達成。855回1/3での到達は歴代2位でパ・リーグでは野茂英雄(近鉄)を抜く最速となった。規定投球回数に達し、防御率2・16でリーグトップに浮上。勝ち星、奪三振数でもリーグトップに並び、投手3冠に躍り出た。

 重圧をはねのけた。レギュラーシーズン最後の登板。規定投球回に達する7回を無失点なら防御率トップに。11勝目を挙げ、9奪三振ならトップに並ぶ。千賀は全てのノルマを達成し「出来過ぎ。今年初めて三振の数を意識した」と胸を張った。7回で三振が1つ足りず、8回続投を志願。9個目を奪ってオリックス・山本に並び「由伸(山本)と仲良く獲れたらと思ってたんでひと安心」と笑った。

 3回に荻野からカットボールで空振り三振を奪って通算1000奪三振を達成。「僕には打たせて取るとか狙ってできない。一生懸命放る結果」という奪三振を大台に乗せた。855回1/3での到達は野茂を抜いてパ・リーグ最速ペースで「レジェンドの方と名前が一つでも載ったのはうれしい」と喜んだ。その野茂と同じ武器のフォークは落差の大きさから「お化け」と呼ばれ、この日も9奪三振中、5三振を奪った。

 育成で入団した大型右腕は150キロを超える速球を武器に2年目には支配下登録。「お化けフォーク」はその年のオフに身につけた。手首を固定し、直球と同じ腕の振りで上から叩きつけるように投げる。「20球に1球ぐらいしか、まともに落ちなかったフォークが毎回落ちるようになった」と振り返る。

 それだけではない。ボールを挟んだ際、右側の中指の力が強いためスライダー回転していた。それを防ぐため、左側の人さし指だけを縫い目に添えてバランスを調整。さらにボールの下に置く親指を人さし指に近づけることで、落差が増した。

 今季は右前腕の張りで出遅れ「最初は(三振を)取りたいところで取れず余裕がなかった」と言うが、エースとして終盤戦にしっかりピークを持ってきた。CSで戦う可能性のある天敵のロッテにも7連勝で今季の対戦成績を11勝11敗1分けのタイにした。ポストシーズンへ「これから、もっと大変な試合がやってくるので頑張ります」と力強く言った。

 ○…千賀(ソ)が4日ロッテ戦の3回に荻野から三振を奪い、通算1000奪三振を達成した。プロ野球151人目。初奪三振は12年4月30日ロッテ戦で里崎から。通算855回1/3での達成は、17年藤川(神)の771回2/3に次ぐ歴代2位。パでは93年野茂(近鉄)の871回を抜くスピード到達になった。

 ○…千賀(ソ)が8回無失点でハーラートップタイの11勝目。シーズン規定投球回にも到達し防御率1位の2.16で顔を出した。奪三振も149で山本(オ)と並ぶリーグ最多タイ。防御率、最多勝、最多奪三振の3冠は最近では18年菅野(巨)が記録しているが、パでは06年斉藤和巳(ソ)が最後。千賀が手にすればリーグ14年ぶりだ。また、千賀は17年最高勝率、19年最多奪三振を獲得。同一シーズンに複数タイトルなら自身初めてになる。

 ○…千賀に防御率で抜かれ、奪三振数で並ばれたオリックスの山本は疲労と上半身のコンディション不良で10月21日に出場選手登録を抹消されている。残り3試合となり、中嶋監督代行は「本人と相談して決めたいと思います」と言葉を濁した。再登録はいつでも可能。登板すれば1三振を奪った時点で再び単独トップ、3回を無失点なら防御率2.15で上回る。

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