阪神・大山 これぞ4番のサヨナラ弾 85打席ぶり一発で2年連続シーズン勝ち越し決定

[ 2020年11月5日 05:30 ]

セ・リーグ   阪神3-2ヤクルト ( 2020年11月4日    甲子園 )

<神・ヤ23>9回1死、サヨナラ本塁打を放ち、ナインに祝福される大山(中央)(撮影・北條 貴史)
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 ウオーターシャワーを浴びた阪神・大山は両手を広げ、満面の笑みを浮かべた。救援陣が2度のリードを追いつかれる、何とも言えない展開の中で放った自身2本目となるサヨナラ本塁打。これぞ4番――の働きで虎党を歓喜させた。

 「本当にうれしいです。試合を決めるのが自分の仕事。その仕事ができてよかった。しっかり自分のスイングができました」

 同点の9回1死、カウント2―2から梅野の外角直球を完璧に捉えた一撃は左中間席に飛び込んだ。10月13日中日戦以来、19試合85打席ぶりとなる、待望の一発。サヨナラ本塁打は昨年8月10日広島戦(京セラ)で記録して以来、甲子園では初めてだった。

 「どこで打ってもうれしいですけど、チームに勝ちがついたのが一番うれしい。そういった打点を増やしていきたいと思っていたので、よかった」

 一時は本塁打争いでリーグトップに立ったが快音が影を潜めた間に巨人・岡本に再びリードを許した。「疲れもあったし、見えないところで力みはあった」。シーズンも終盤となり蓄積疲労から10月中旬以降はコンディションを整えるのにも苦労した。そんな中でもコンスタントに安打を重ね4番として最低限の役割を果たしてきた。

 この日は同学年の藤浪が先発。「全ての投手に援護しなくちゃいけないというのはあるんですけど、やっぱり同級生はちょっと違う」。助けたい特別な思いが空回りしたのか、それまで3打席無安打だったが、最後の最後で最高の結果を出した。

 2年連続シーズン勝ち越しとなった矢野監督も「タイトル争いもあるしね。自分で決めるということに価値があると思う。プライドとかも持ち合わせていると思うし、いろんな価値がある」と称賛した。残り4試合。逆転キングが厳しい状況に変わりはないが、可能性は決してゼロじゃない。(長谷川 凡記)

 《5日に勝てばAクラス確定》阪神のサヨナラ勝ちは9月1日のヤクルト戦以来今季2度目。チームは4試合を残して57勝52敗7分けでシーズン勝ち越しが決定。2年連続は13、14年以来6年ぶり。監督就任からの連続シーズンは吉田義男監督が新任の75年から76年にかけての2年以来、44年ぶり。チームは5日に勝つか引き分け、またはDeNAの負けか引き分けで2年連続のAクラス(3位以上)が確定する。

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2020年11月5日のニュース