阪神・ガンケル 本塁打王争いで「逆アシスト」…DeNA・ソトに2発浴び残留アピールも失敗

[ 2020年10月11日 05:30 ]

セ・リーグ   阪神3-5DeNA ( 2020年10月10日    甲子園 )

<神・D(19)> 6回無死、ソトに勝ち越しソロを打たれてぼう然とするガンケル(撮影・大森 寛明)
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 阪神は10日のDeNA戦に逆転負けした。先発したジョー・ガンケル投手(28)が自己ワースト3被弾でリードを守り切れず6回9安打4失点で4敗目。先発4試合で白星なしと苦しむ助っ人右腕は来季残留へのアピールに失敗し、ソトに2本塁打も許して本塁打王を争う大山のライバルを増やす結果となった。 

 放物線を3度、見上げた。ガンケルは最後までリズムに乗れずDeNAの一発攻勢にジワジワと力をそがれていくようだった。
 
「援護してもらったリードを守ることができず悔しい」

 2点リードの3回、2死からオースティンに147キロ直球を右中間スタンド中段まで運ばれると雲行きが怪しくなった。4回1死からはソトに粘られた末、9球目のスライダーを左中間席へ同点ソロを被弾。3―3の6回先頭でソトに今度はツーシームを仕留められ左翼へ2打席連続アーチを食らい、勝ち越された。

 勝敗を分けた場面になったことはもちろん、ソトに2本を積み重ねられ21号。24本の大山が1本差で巨人・岡本を追うタイトル争いに向け、昨年まで2年連続本塁打王の大本命をアシストする形で完全に目覚めさせてしまった。

 前回3日の巨人戦も6回5失点と結果を残せず、先発再転向後は3試合でいまだ白星なし。来季の去就にも大きく関わってくるシーズン終盤のパフォーマンスで、残留に向けアピール成功とはいかなかった。今季、チームは史上最大の助っ人8人制でスタート。中でもガンケルは、ボーアなどと違ってメジャー経験なしでマイナー一筋の苦労人としてタテジマに袖を通した。

 7月下旬からは中継ぎに配置転換され、存在感を放ってきたが、本来期待された先発では精彩を欠いている。それでも、来日最多の107球を投げた右腕に、矢野監督は「ソロなんで責められない部分もあるけど、何とか打球を上げないような投球を期待したい」と次回登板も示唆した。

 「前回の登板よりもボールが高く集まってしまったから、そこを反省して次の登板に生かせるようにしたい」。前を向いた背番号49の言葉を信じるしかない。(遠藤 礼)

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2020年10月11日のニュース