レイズ・筒香 出番なしも笑顔 12年ぶりリーグ優勝決定S進出 日本人選手で唯一

[ 2020年10月11日 02:30 ]

ア・リーグ地区シリーズ第5戦   レイズ2-1ヤンキース ( 2020年10月9日    サンディエゴ )

<レイズ・ヤンキース>リーグ優勝決定シリーズ進出を決め、喜ぶ筒香(左)らレイズの選手たち(AP)
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 レイズナインがベンチを飛び出し、一斉に拳を突き上げた。1―1の8回1死、粘った末の10球目。途中出場のブロッソーはヤンキースのチャプマンが投じた100・2マイル(約161・2キロ)直球を左翼席に運び「この気持ちは言葉にできない。絶対に忘れないだろう」と涙ぐんだ。

 9月1日。ブロッソーはこの左腕から頭部付近に投球を受け、乱闘寸前の騒ぎに発展した。因縁の相手からの決勝ソロにも「あれはもう過去のこと。仕返しではない」と、すがすがしい表情で話した。16年にドラフト外で入団し通算11本塁打。今季年俸はメジャー最低保証額に近い56万8500ドル(約6000万円)で、60試合制換算だと21万ドル(約2230万円)の26歳がヒーローになった。

 打線に主要タイトル保持者がいない雑草軍団が、スター軍団を撃破。岩村らの活躍でリーグを制した08年以来、12年ぶりのリーグ優勝決定シリーズ進出を決めた。この日に出番がなかった筒香も歓喜の輪で笑顔。日本選手で唯一、次の舞台への切符を手にした。

 11日(日本時間12日)から、昨季の地区シリーズで敗れたアストロズと激突する。キャッシュ監督は「選手を誇りに思う。このチームには去年の経験が助けとなっている」と手応えを口にした。(奥田秀樹通信員)

 ○…メジャー移籍1年目でリーグ優勝決定シリーズ進出を果たした日本選手は筒香で9人目。野手では4人目となる。1人目は00年マリナーズの佐々木主浩で、翌01年は同じマ軍のイチローも出場。03年にはヤ軍の松井が出場した。08年にはドジャースの黒田博樹、11年にはレンジャーズの建山義紀が出場。05年ホワイトソックスの井口資仁、07年レッドソックスの松坂大輔と岡島秀樹の3人は1年目でワールドシリーズ制覇を果たした。

 ▼レイズとヤンキースの因縁 近年、ビーンボール合戦が激しく、18年9月27日の試合でヤ軍の左腕サバシアが投球回数のボーナスで50万ドル(約5300万円)を手にする寸前に報復死球を与えて退場となり、話題を呼んだ。今年9月1日には田中がウェンドルに死球を与え、チャプマンがブロッソーの頭部付近に投球。試合後、キャッシュ監督が「うちにだって98マイル(約158キロ)を投げるやつはいくらでもいる」と話していた。

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