センバツ 無観客か、中止か…4日、史上初の決断 午後2時から運営委員会&緊急理事会

[ 2020年3月4日 05:30 ]

甲子園球場
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 新型コロナウイルスの感染が拡大する中、日本高野連はきょう4日午後2時から、大阪市内で第92回選抜高校野球大会(19日から13日間、甲子園)の運営委員会と緊急理事会を開き、開催の可否を協議する。通常開催は困難と判断し、無観客での開催か中止のどちらかの方向性を出す。どちらの決定がなされても選抜大会では史上初となる。

 無観客か中止か…。センバツの行方は、この二者択一に絞られた。午後2時からは運営委員会が開かれ開催の可否について意見が交わされた後、本来の業務運営委員会(常任理事会)を緊急理事会に変更して開催。最終的な方向性が決まる。

 日本高野連や大会本部は、新型コロナウイルス感染が拡大する中でも通常開催を模索してきた。しかし、先月27日に政府が小中高の全面休校を発表して状況は一変。関係者は「通常開催は現状では難しい。無観客で開催するのか、中止するのかを議論することになるだろう」と話した。

 会議でまずは無観客試合の道を模索することになる。46年ぶりに出場切符を手にした磐城(福島)など、久しぶりの出場を決めた学校や初出場校も5校ある。球児の目標を安易に奪うことはできないとの思いがある。出場32校に対して個別に聞き取り調査を行い、開催する場合には「出場したい」と全校から返答ももらっている。

 無観客で開催する場合、選手や関係者が長時間密閉空間にいたり、宿舎で合宿生活を送ることによって感染のリスクにさらされる懸念がある。各校の移動手段や時期、感染予防策のガイドライン作成のほか、報道関係者やスカウトの扱い、開会式の可否など細部の議論が必要となる。

 一方、高野連内部では中止にすべきとの声も上がっている。一部の関係者は「移動や宿舎生活、ホテル内でのビュッフェなど感染の可能性は避けられない状況にある。1人でも感染者を出したら大変なこと」と話す。他競技の選抜大会も中止が相次いでおり、高校野球だけ特別扱いできないのが現状だ。兵庫や大阪など関西方面でも感染者が出ている。

 4月7日からは阪神の公式戦が甲子園で開催されるため、開幕延期の選択肢はないという。無観客開催にせよ、中止にせよ、1924年の第1回大会以来選抜高校野球大会に前例はない。歴史的決断となる。

 ▽過去の甲子園の無観客試合や中止 選抜大会での中止や無観客開催の例はない。第2次世界大戦の影響で1942年から46年まで5年間は中断という形を取った。95年1月に阪神大震災が起きた際は開催が危ぶまれたが、鳴り物での応援を禁止するなど、災害復興への理解を求めながら開催。同様に2011年の東日本大震災の際も入場行進を一部省略するなどして、予定通りに行われた。夏の選手権は米騒動が起きた1918年と戦局が深刻化した41年の2度中止。42年からは4年間中断となった。

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