ロッテ・朗希 正妻・田村も“餌食”「本当に160キロ出るんだ」「まばたきしていたら死んじゃう」

[ 2020年2月21日 05:30 ]

投球練習する佐々木朗(撮影・白鳥 佳樹) 
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 ロッテのドラフト1位・佐々木朗希投手(18=大船渡)が20日、沖縄・恩納村の赤間ボールパークでキャンプ4度目のブルペン入りで40球の投球練習を実施。16年ベストナインの正捕手で初コンビの田村龍弘捕手(25)を立たせ、「死の恐怖」を感じさせるほどの剛速球を投じた。今後は捕手を座らせた本格投球を目指してさらにペースを上げる予定。チームは沖縄での日程を終え、21日に高知に移動する。

 身長差は実に18センチ。マウンドの高さも含めると、その差はさらに大きくなる。佐々木朗が鋭く右腕を振り下ろすと、1メートル72の小兵捕手・田村はミットで心地よい音を響かせる。1メートル90の長身から怪物ルーキーが16年ベストナインの正捕手を相手に初めて剛速球を投げ込んだ。

 「キャッチボールを含めて、初めて受けてもらいました。まだ座っていないが、キャッチングが凄くうまくて投げやすい。1軍の試合に出ている捕手に“いい球が来てる”と言ってもらえて、凄くうれしかったです」

 18日から中1日で前回と同じ「4分間×2」の投球を行った。1セット目は21球。1分間のインターバル中には女房役の先輩に「どういうボールが行っていますか?」と聞いた。返事は「いいボールが来ているよ!」。2セット目は19球。「自分の感覚が良くて、受け手から褒められると自信になる」。剛速球の勢いはさらに増した。

 石垣島キャンプを打ち上げた13日。田村と柿沼のどちらが佐々木朗の初ブルペン投球を受けるかジャンケンで決めた。敗れた田村はネット裏で見学。この日は念願がかない「150キロは出ていた。本当に160キロが出るんだと思った」と確信し、衝撃の言葉を続けた。「一球一球、気を張ってないと一瞬で来る。まばたきとかくしゃみをしていたら死んじゃう」。侍ジャパンの正捕手も務めたことがある男に、そう言わしめた。

 この日で沖縄本島での日程が終了。きょう21日にチームは高知に移動する。2軍は25日に石垣島キャンプを打ち上げ、来月上旬から教育リーグもスタートするが、当面は怪物右腕の1軍での「英才教育」は続く。吉井投手コーチは「立ち投げでも低めやコースに投げさせることで負荷をかけられる。いつもより近い距離で捕手を座らせるかもしれない」と予告。順調ならば今月末にも捕手を座らせての本格投球が実現する可能性もある。

 「立ち投げよりも実戦に近くなるし、自分も投げやすいと思うので楽しみ」と佐々木朗。最速163キロを誇る18歳がリミッターを外す日は、着実に近づいている。 (横市 勇)

【佐々木朗、過去3度のブルペン投球】

 ☆1度目=13日 石垣島キャンプ最終日に初ブルペン。制限時間5分間の中、捕手を立たせて25球を披露した。受けた柿沼は「カコイチ(過去一番)!」と感嘆し、視察した井口監督も「自分の想像をはるかに超えていた」。吉井コーチも「あんな球投げるやつ見たことない」と称賛し、近鉄時代の後輩だった野茂英雄氏以来の衝撃と話した。

 ☆2度目=15日 中日戦(北谷)の試合前に行い、捕手を立たせて5分間で24球。ブルペンには中日の主力選手ら10人以上が見学し「すげえ…」「はやっ!」「えぐいな」と驚きの声が続々と上がった。プロ19年目の山井は「腕を振るときブワーッと聞こえた。空気を切り裂いていた」、同じ速球派の鈴木博は「腕を振るブーンッて音が凄かった」と表現。

 ☆3度目=18日 巨人戦(沖縄セルラー)の試合前に行い、まずは4分間で23球。1分間のインターバルを挟み、4分間で21球の計44球を投じた。ボールを受けた小池ブルペン捕手は「150キロくらいは出ていた」と証言。球団が公開した捕手目線の動画は再生回数13万回を超え、「球の伸びが別格」「速さが伝わる」など絶賛コメントが並んだ。

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