明徳義塾 敬遠なしで星稜を返り討ち 馬淵監督「忘れていたものを少し思い出した」

[ 2019年11月16日 05:30 ]

明治神宮野球大会 第1日   明徳義塾8―5星稜 ( 2019年11月15日    神宮 )

<星稜・明徳義塾>試合が終了し、握手する明徳義塾と星稜の両ナイン(撮影・木村 揚輔)
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 開幕し、高校と大学の部で1回戦計3試合が行われた。高校の部では、明徳義塾(四国)が松井秀喜を5打席連続敬遠した1992年夏の甲子園大会2回戦以来、27年ぶりに公式戦で星稜(北信越)と対戦。8―5で制し、準々決勝に進出した。高崎健康福祉大高崎(関東)は倉敷商(中国)を破り8強進出。大学の部では東海大札幌(北海道2連盟)が8強入りした。

 甲子園春夏通算51勝の名将にとっても、格別な1勝だ。馬淵史郎監督は「星稜さんと27年ぶりにやれて、私自身も忘れていたものを少し、思い出した」と感慨深げに語った。

 3回に先制を許したが、4回に一挙4得点して逆転すると、4―1の5回1死一、三塁からは主将の鈴木が左越えに3ラン。「とにかく絶対に勝とうと思っていた。チームとしても振っていけた」と納得顔で話した。
 馬淵監督は「甲子園で勝つためにはビッグイニングをつくらないと。明徳がもう1段、2段上がるには必要」と話す。ウエートトレーニング室を新設し強化を進め、作戦面では小技だけでなく強攻策でビッグイニングを狙うことも取り入れた。

 92年夏の甲子園で明徳義塾は星稜の4番松井を5打席連続で敬遠した末に勝ち、社会問題にまでなった。公式戦での対決はその時以来。現在もチームを率いる馬淵監督は、27年前は生まれていなかった選手たちに「昔のことだから、気にするな」と声を掛けた。捕手の鈴木主将は「“逃げるな”と何度も言われた」と明かした。敬遠は一つもなかった。

 「(今月28日で)64歳ですが、野球ってのは、いろんな勉強をせないかんのですね」と馬淵監督。時代に合わせスタイルを変え、勝利をつかんだ。 (桜井 克也)

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