現役復帰挑戦の新庄剛志氏 クレメンス、フランコのように…日本人のパイオニアとして期待

[ 2019年11月16日 11:06 ]

新庄剛志氏
Photo By スポニチ

 阪神や日本ハムで活躍し、大リーグでも3年間プレーした新庄剛志氏(47)が、自身のインスタグラムなどを通じ、現役復帰に挑戦することを明らかにした。既にトレーニングを再開。今後は現在の生活拠点であるインドネシア・バリ島から帰国して体を3カ月でつくり上げ、バッティングセンターで「衰えている」という目を徹底的に慣らすという。

 記者は04~06年の日本ハム時代に新庄氏を取材した。チームの北海道移転のタイミングで加入。入団会見では「札幌ドームを満員にしたい」と抱負を語った。3年目に球団44年ぶりの日本一に貢献。巨人ファンが大多数だった北の大地で「新庄フィーバー」を肌で感じた。巨人ファンが大多数だった北の大地で、新庄氏が「北海道日本ハムファイターズ」の人気を定着させた立役者の一人であることは間違いない。

 突飛な言動ばかりクローズアップされがちだが、その裏ではプロ意識の塊。集客の方法を球団関係者と真剣に話し込み、食生活では杏林予防医学研究所のサポートを受け、体のケアにも余念がなかった。また、周囲への気配りも欠かさず、チームメートとの信頼関係を築いていた。

 本人が動画で「99%は無理。1%の可能性を、どうやって自分でものにするか」と話しているように、引退から13年がたち、復帰が極めて険しい道のりであることは明らか。現役時代の終盤には右肩や右肘を痛め、両太腿は肉離れを繰り返していた。現実的に06年までと同レベルのプレーを期待するのは、やはり厳しい。ただ、どういった形にしろ、復帰に向けたチャレンジは心から楽しみにしたい。

 大リーグではいったん現役を引退後、復帰したケースは通算354勝右腕ロジャー・クレメンスを筆頭に数多い。メジャー最年長となる48歳での本塁打記録を持つ元ロッテのフリオ・フランコは、08年に現役引退後、14年に55歳で米独立リーグのコーチ兼任選手として6年ぶりに復帰。翌15年はBCリーグ・石川で兼任監督としてプレーした。新庄氏が日本人選手としてパイオニアとなれば、後に続く選手も出てくるだろう。(記者コラム・大林 幹雄)

続きを表示

2019年11月16日のニュース