ダル「今は違うレベルにある」7回4安打無失点、10奪三振の好投

[ 2019年8月16日 22:04 ]

ナ・リーグ   カブス5―7フィリーズ ( 2019年8月16日    フィラデルフィア )

フィリーズ戦に先発したカブスのダルビッシュ(AP)
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 勝利の女神にはそっぽを向かれたが、手応えは十分だった。「こんなにコントロールがよかったことはない。今は違うレベルにあると思う」――。

 カブスのダルビッシュ有投手(32)が15日、敵地フィラデルフィアでのフィリーズ戦に先発し、7回4安打無失点、10奪三振の好投。チームは逆転サヨナラ負けを喫し、5勝目は消えたが好調ぶりを示すマウンドだった。


 363億円男を手玉に取った。フ軍の主砲ハーパーは、今季から13年3億3000万ドル(約363億円)の超大型契約で加入。初回は死球を与えたが、2打席目以降は完璧に抑えた。1―0の3回2死二塁は、カーブ、スプリット、スプリットですべて空振りの3球三振。先頭で迎えた6回は、スプリットで空振り、カットボールでファウルと2球で追い込むと。1球ボールの後、71キロ(約114キロ)のスローカーブで空振り三振を奪った。「アグレッシブだし、その前の打席でもスプリットを2球空振りしている。同じところに投げたら振るのはわかっていた。(2度目の三振は)スプリットをもう1球行こうかなと思ったけど、捕手からカーブが出たから、スピードを落とし気味に投げました」。この日の対戦の全9球中、ハーパーは7スイングし、空振りが5度。チームは9回にそのハーパーにサヨナラ満塁弾を浴びたが、ダルビッシュは積極的な相手を翻弄(ほんろう)した。


 不振だったフィリーズ打線。起爆剤にと前日6年ぶりにチャーリー・マニエル元監督(75)が、打撃コーチとして現場復帰。いきなり13安打11得点で勝利し、シチズンズバンク・パークに「チャーリーコール」が鳴り響いた。「不気味じゃないけど、マニエル元監督はフィラデルフィアでもレジェンドだし、ああいう人がチームに入ることによって、自信になったり、最初の試合であんなに打ったりもする。もともとラインナップはすごいんで、怖いですよね」。警戒感を露わにしたダルビッシュだったが、自身は勢いづいていたフ軍打線を沈黙させた。


これで日本時代の3試合連続を上回る、4試合連続の無四球投球。「日本だとボール1個半外でも、ある程度、実績残をしている(投手だ)とストライクゾーンが広くなる」と単純比較はできないとし、その上で「こんなにコントロールよかったことはない。今は違うレベルにあると思う」と手応えを口にした。


 もう1つの手応えはスプリットだった。これまでは左打者には見逃されることが多かったが、前回登板から投げ方を変えた。「握りは一緒ですけど投げ方が違う」。一般的にはスプリットは直球と同じように腕を振る、という投手が多いがダルビッシュは自身の投球を分析し、トライした。「僕はまっすぐはそこまで得意な方ではない。カッターやスライダーのようなブレーキングボールには強い。まっすぐではなく、縦のカッターの伝え方で投げたら落ちるんじゃないかなと」。ブルペンでカラティニ捕手も「全然、違うぞ」と驚いた変化。データではスプリットのリリースポイントが、直球よりも20~30センチほど手前のカッターやスライダーと同程度になり「落ち方も違うし、良いところから落ちている感じはしました」と振り返った。


 16日は33歳の誕生日だが「自分の誕生日はいつもぎりぎりまで忘れている。奥さんが22日なので、そっちを先に考えてしまう」とおどけて見せた。敗戦に「負けてしまったんで、嬉しくはないですけど、自分の仕事については満足しています」としたが、確かな手応えで32歳の最終日を終えた。「もう33歳ですけど、今が人生で一番いいので。もっとよくなっていくといいですね」。4戦連続8奪三振以上&無四球は球団史上初めて。グレードアップを証明する数字のひとつだ。(奥田秀樹通信員)

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