大船渡・佐々木、侍エース決定的!30日開幕U18W杯「球数制限」も追い風

[ 2019年8月16日 05:30 ]

高校日本代表に選ばれることが決定的となった大船渡の最速163キロ右腕・佐々木にエースの期待がかかる
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 「第29回WBSC U18(18歳以下)ワールドカップ」(30日開幕、韓国・機張=キジャン)に出場する高校日本代表に、大船渡の佐々木朗希投手(3年)の選出が決定的であることが15日、分かった。同大会では初めて球数制限が導入されることが決まっており、岩手大会で慎重に登板を重ねた同投手も全力で臨める環境が整った。悲願の初優勝へ、最速163キロ右腕が世界デビューする。

 佐々木のU18ワールドカップに向けた代表選考については、代表首脳陣が慎重に選考の可否を見極めてきた。20日の夏の甲子園準決勝後に正式発表されるが、代表関係者は「今のところどこかが痛いとか、そういう報告は来ていない。よほどの大ケガがない限り、選ばないわけがない」と選出に支障がないことを明かした。

 今夏の岩手大会では故障防止の観点から、7月25日の決勝、花巻東戦に登板せず敗退。賛否を巡る議論は世間の注目を集めた。骨密度を測定し、力配分もセーブしながら登板を重ねてきた右腕が、いよいよ日の丸を背負った戦いに挑む。

 追い風となるのがワールドカップでは初導入となる球数制限だ。「(1)49球以下なら連投可能(2)50~104球までは中1日(3)最大105球(その打者まで投球可能)に達した場合は中4日」と規定されており、勝負がかかった試合でも佐々木の負担が増加することはない。球数制限下で、佐々木も思い切った投球ができる。

 昨年から代表の1次候補に名を連ね、今年の4月に行われた国際大会対策研修合宿(大阪)では視察したプロ球団のスピードガンで自己最速の163キロを叩き出した佐々木。研修合宿中には「世界一になるにふさわしい実力を備えたい。もし選ばれたら、活躍できるように頑張りたい。日本(国内の試合)では経験できないことがある」と日の丸への思いを口にした。岩手大会決勝から2日後の7月27日からトレーニングを再開。現在は新チームとなった後輩とともに汗を流し、勝負の時へ調整を重ねる。

 日本はワールドカップで過去に優勝経験はない。悲願の初優勝を目指す上で最大のライバルとなるのが、大会4連覇中の米国だ。その米国とは1次ラウンドから同組となった。佐々木には、エースとして、米国撃破の期待がかかる。

 代表は22日からの国内合宿と26日に神宮で行われる大学代表との壮行試合を経て、決戦の地・韓国へ向かう。佐々木がどんな投球を見せるのか。世界が注目している。

 ▽U18ワールドカップ 世界野球ソフトボール連盟(WBSC)が主催する。81年に始まり、今回で29回目。かつてはAAA世界選手権などと呼ばれた。優勝回数はキューバが11度で最多だが、最近は米国が4連覇中。日本は夏の甲子園大会と日程が重なるため、高校日本代表メンバーで臨んだのは04年が初めて。過去5回で準優勝3回、3位1回、6位が1回で優勝はない。球数制限も前回17年大会まで行われていなかった。

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